LAMA/LABA配合剤使用中のCOPD患者に対するプロカテロールの動的肺過膨張改善効果

COPD患者に対する運動前の短時間作用性β2刺激薬吸入(アシストユース)の有効性が報告され,この機序として動的肺過膨張の改善効果が示されている.本研究ではグルコピロニウム/インダカテロール配合剤使用下でも体動時息切れを有する症例を対象として,プロカテロールの動的肺過膨張改善効果について検証した.動的肺過膨張は「過呼吸法による呼吸数増加時の最大吸気量(inspiratory capacity: IC)の減少」にて評価した.呼吸数40回/分のIC(IC40)は安静時のIC(ICrest)と比較し有意に低下し,動的肺過膨張の存在が考えられた.プロカテロール吸入は呼吸数増加に伴うICの減少(ΔIC40...

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Published in日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 Vol. 28; no. 3; pp. 467 - 470
Main Authors 岩下, 広志, 松崎, 晋一, 宇津木, 光克
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 15.04.2020
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ISSN1881-7319
2189-4760
DOI10.15032/jsrcr.28.3_467

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Summary:COPD患者に対する運動前の短時間作用性β2刺激薬吸入(アシストユース)の有効性が報告され,この機序として動的肺過膨張の改善効果が示されている.本研究ではグルコピロニウム/インダカテロール配合剤使用下でも体動時息切れを有する症例を対象として,プロカテロールの動的肺過膨張改善効果について検証した.動的肺過膨張は「過呼吸法による呼吸数増加時の最大吸気量(inspiratory capacity: IC)の減少」にて評価した.呼吸数40回/分のIC(IC40)は安静時のIC(ICrest)と比較し有意に低下し,動的肺過膨張の存在が考えられた.プロカテロール吸入は呼吸数増加に伴うICの減少(ΔIC40-ICrest)を有意に改善し,動的肺過膨張を改善させた.以上のことから,プロカテロールはグルコピロニウム/インダカテロール配合剤併用下においてもアシストユースの効果が得られる可能性が示唆された.
ISSN:1881-7319
2189-4760
DOI:10.15032/jsrcr.28.3_467