経鼻胃管による瘻孔内持続吸引により軽快した難治性胃瘻周囲炎の2例

症例1は29歳男性。脳性麻痺のため5歳時より臥床状態であった。2006年に経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)施行。2009年より瘻孔からの胃内容漏出と胃瘻周囲炎が認められていたが、皮膚炎症状が悪化したため2013年に当院へ紹介入院となった。経鼻胃管を挿入し胃管先端を経胃的に瘻孔から体外に約2cm突出させた状態として胃管を持続吸引することにより瘻孔内の持続ドレナージを行った。処置開始後瘻孔からの胃内容流出はほぼ消失し瘻孔周囲皮膚炎は速やかに改善した。症例2は91歳男性。2011年にPEG施行。胃瘻周囲炎が認められたため2013年に当院へ紹介入院となった。症例1と同様の処置を行い胃瘻周囲炎は改善し瘻...

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Published in日本静脈経腸栄養学会雑誌 Vol. 30; no. 3; pp. 813 - 816
Main Authors 川辺, 昭浩, 高梨, 裕典, 山下, 公裕, 水野, 智哉, 礒垣, 淳, 岡本, 卓也, 奥村, 拓也, 鈴木, 憲次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会 2015
Subjects
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ISSN2189-0161
2189-017X
DOI10.11244/jspen.30.813

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Summary:症例1は29歳男性。脳性麻痺のため5歳時より臥床状態であった。2006年に経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)施行。2009年より瘻孔からの胃内容漏出と胃瘻周囲炎が認められていたが、皮膚炎症状が悪化したため2013年に当院へ紹介入院となった。経鼻胃管を挿入し胃管先端を経胃的に瘻孔から体外に約2cm突出させた状態として胃管を持続吸引することにより瘻孔内の持続ドレナージを行った。処置開始後瘻孔からの胃内容流出はほぼ消失し瘻孔周囲皮膚炎は速やかに改善した。症例2は91歳男性。2011年にPEG施行。胃瘻周囲炎が認められたため2013年に当院へ紹介入院となった。症例1と同様の処置を行い胃瘻周囲炎は改善し瘻孔は縮小した。PEGの合併症としての胃内容漏出、瘻孔周囲皮膚炎は治療に難渋する場合がある。経鼻胃管による瘻孔内持続ドレナージは瘻孔からの胃内容漏出および難治性胃瘻周囲炎に対する治療法として有用と考えられた。
ISSN:2189-0161
2189-017X
DOI:10.11244/jspen.30.813