鈍的腹部外傷による単独胆嚢損傷に対して手術治療を行った1例

胆嚢は解剖学的に損傷を受けにくい臓器とされ,腹部鈍的外傷による胆嚢損傷の頻度は約2%と報告されている.損傷を受けやすい状況として飲酒後の上腹部への強打が指摘されており,今回その1例を経験した.症例は69歳,女性.飲酒運転中,電柱に衝突した.シートベルトの着用は不明であった.来院時酩酊状態,バイタルサインは安定していたが上腹部の圧痛を認めた.腹部造影CT検査で胆嚢壁および胆嚢内の造影剤漏出と肝周囲の腹水貯留を認めた.緊急開腹手術を行い胆嚢壁の全層性裂創を認めた.腹腔内合併損傷を認めず,胆嚢摘出術を施行し,術後経過は良好であった....

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Published in日本外傷学会雑誌 Vol. 28; no. 3; pp. 282 - 285
Main Authors 白井, 邦博, 福田, 哲也, 田中, 義人, 吉田, 隆浩, 三宅, 喬人, 小倉, 真治, 名知, 祥, 加藤, 久晶, 豊田, 泉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外傷学会 20.07.2014
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ISSN1340-6264
2188-0190
DOI10.11382/jjast.28.282

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Summary:胆嚢は解剖学的に損傷を受けにくい臓器とされ,腹部鈍的外傷による胆嚢損傷の頻度は約2%と報告されている.損傷を受けやすい状況として飲酒後の上腹部への強打が指摘されており,今回その1例を経験した.症例は69歳,女性.飲酒運転中,電柱に衝突した.シートベルトの着用は不明であった.来院時酩酊状態,バイタルサインは安定していたが上腹部の圧痛を認めた.腹部造影CT検査で胆嚢壁および胆嚢内の造影剤漏出と肝周囲の腹水貯留を認めた.緊急開腹手術を行い胆嚢壁の全層性裂創を認めた.腹腔内合併損傷を認めず,胆嚢摘出術を施行し,術後経過は良好であった.
ISSN:1340-6264
2188-0190
DOI:10.11382/jjast.28.282