脳皮質電位/脳皮質電気刺激による機能局在を行った脳腫瘍の1例

脳腫瘍摘出では機能の温存が重要であり, その機能マッピングには覚醒下手術, 頭蓋内電極による脳皮質電気刺激 (ECS) がある. しかし, ECSは痙攣誘発のリスクや痛みなどを伴う. 近年は脳皮質電位 (ECoG) による機能マッピングの報告があり, 特に高周波律動に注目が集まっている. 今回われわれは, 言語野近傍の脳腫瘍患者において, 頭蓋内電極によりECSマッピングとECoG計測を行った. ECoGは60∼120Hzの高周波律動であるhigh Gamma activity (HGA) に着目した. 文字読み課題で約600msec付近に誘発されたHGAはECSマッピングの側頭葉言語野と一致...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 22; no. 10; pp. 786 - 790
Main Authors 安栄, 良悟, 広島, 覚, 國井, 尚人, 鎌田, 恭輔, 小川, 博司, 佐藤, 正夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2013
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.22.786

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Summary:脳腫瘍摘出では機能の温存が重要であり, その機能マッピングには覚醒下手術, 頭蓋内電極による脳皮質電気刺激 (ECS) がある. しかし, ECSは痙攣誘発のリスクや痛みなどを伴う. 近年は脳皮質電位 (ECoG) による機能マッピングの報告があり, 特に高周波律動に注目が集まっている. 今回われわれは, 言語野近傍の脳腫瘍患者において, 頭蓋内電極によりECSマッピングとECoG計測を行った. ECoGは60∼120Hzの高周波律動であるhigh Gamma activity (HGA) に着目した. 文字読み課題で約600msec付近に誘発されたHGAはECSマッピングの側頭葉言語野と一致していた. また, HGAは後頭葉から側頭葉-前頭葉言語関連機能ダイナミクスを表していた. 本症例で施行した認知課題ECoGはECSに代わる脳機能マッピング法となる.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.22.786