Push ＆ Slide変法を用いた気管支充填術により改善しえた有瘻性膿胸の1例

背景．シリコン製気管支充填剤（endobronchial Watanabe spigot：EWSⓇ）を用いた気管支充填術は，難治性気胸や有瘻性膿胸に対する有用な治療手段の一つであるが，角度が急峻な気管支への留置は難しい．Push ＆ Slide法に改良を加えた，新たなEWSⓇ留置法を考案したので報告する．症例．65歳女性．進行乳癌に伴う癌性胸膜炎に対して胸腔ドレナージを施行．2カ月後に発熱，呼吸困難が出現し有瘻性膿胸と診断された．B1＋2b，B1＋2c，B3a，B6cに合計4個のEWSⓇを充填し，膿胸腔の縮小と炎症の鎮静化を得て，胸郭成形術と広背筋弁充填術を行い術後19日目に退院した．結論．留...

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Published in気管支学 Vol. 47; no. 2; pp. 138 - 143
Main Authors 大浦, 裕之, 佐藤, 卓, 折山, 航, 石田, 格
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本呼吸器内視鏡学会 25.03.2025
Subjects
Endobronchial Watanabe spigot（EWS）
Push ＆ Slide法
ガイドワイヤー
有瘻性膿胸
気管支充填術
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.47.2_138

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Summary:背景．シリコン製気管支充填剤（endobronchial Watanabe spigot：EWSⓇ）を用いた気管支充填術は，難治性気胸や有瘻性膿胸に対する有用な治療手段の一つであるが，角度が急峻な気管支への留置は難しい．Push ＆ Slide法に改良を加えた，新たなEWSⓇ留置法を考案したので報告する．症例．65歳女性．進行乳癌に伴う癌性胸膜炎に対して胸腔ドレナージを施行．2カ月後に発熱，呼吸困難が出現し有瘻性膿胸と診断された．B1＋2b，B1＋2c，B3a，B6cに合計4個のEWSⓇを充填し，膿胸腔の縮小と炎症の鎮静化を得て，胸郭成形術と広背筋弁充填術を行い術後19日目に退院した．結論．留置針外筒をEWSⓇに通すことでガイドワイヤーの滑りを改善し，気管支鏡による視野と透視を併用し，把持鉗子を用いて責任気管支にEWSⓇを留置した．Push ＆ Slide法に改良を加えた本法は，簡便で有用な方法と考えられる．
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.47.2_138