COVID-19管理において披裂軟骨脱臼と喉頭麻痺を合併した1症例

65歳女性,COVID-19肺炎に対し気管挿管と腹臥位療法を施行した.酸素化が改善し抜管を試みたが,吸気性喘鳴の聴取と痰の喀出が不十分なため再挿管となった.5日後に再度抜管を試みたが,発声困難と痰の喀出が不十分なため再び挿管となった.短期間での抜管は困難と判断し気管切開を施行した.気管切開後17日目に気管カニューレを抜去したが呼吸困難を生じカニューレを再挿入した.喉頭内視鏡検査,頚部CT検査から披裂軟骨脱臼が診断された.脱臼整復後も症状の改善が見られず,両側喉頭麻痺の合併が考えられた.長期挿管や腹臥位療法施行時には,披裂軟骨脱臼や喉頭麻痺にも注意するべきである....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 43; no. 4; pp. 302 - 306
Main Authors 川口, 昌彦, 秋岡, 宏志, 鈴鹿, 隆教, 内藤, 祐介, 園部, 奨太, 惠川, 淳二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.07.2023
Subjects
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.43.302

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Summary:65歳女性,COVID-19肺炎に対し気管挿管と腹臥位療法を施行した.酸素化が改善し抜管を試みたが,吸気性喘鳴の聴取と痰の喀出が不十分なため再挿管となった.5日後に再度抜管を試みたが,発声困難と痰の喀出が不十分なため再び挿管となった.短期間での抜管は困難と判断し気管切開を施行した.気管切開後17日目に気管カニューレを抜去したが呼吸困難を生じカニューレを再挿入した.喉頭内視鏡検査,頚部CT検査から披裂軟骨脱臼が診断された.脱臼整復後も症状の改善が見られず,両側喉頭麻痺の合併が考えられた.長期挿管や腹臥位療法施行時には,披裂軟骨脱臼や喉頭麻痺にも注意するべきである.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.43.302