当院における、「腰の痛み・姿勢検診」「肩の痛み・肩こり検診」の報告

【はじめに】令和4年度の国民生活基礎調査では、性別にみた有訴者率の上位5症状として男女ともに第1位「腰痛」、第2位「肩こり」としている。また、年齢が高くなるにつれて有訴者率が高くなるとしている。Nakamuraらは「慢性運動器疼痛で男女とも高率の失職、退学、休職や休学、転職を認めた」1)としており、腰痛や肩こりは健康寿命の延伸を目指す上での課題といえる。 そこで当院では、2018年より「腰の痛み・姿勢検診 (以下:腰検診)」「肩の痛み・肩こり検診 (以下:肩検診)」を人間ドックのオプション検査として実施している。今回は各検診の概要・件数について報告する。【取り組み】検診では、①問診、②各種評価...

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Published in日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集 p. 83
Main Authors 鈴木, 滉大, 道下, 将矢
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本予防理学療法学会 31.03.2025
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ISSN2758-7983
DOI10.57304/jsptpsuppl.3.Suppl.No.1.0_83

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Summary:【はじめに】令和4年度の国民生活基礎調査では、性別にみた有訴者率の上位5症状として男女ともに第1位「腰痛」、第2位「肩こり」としている。また、年齢が高くなるにつれて有訴者率が高くなるとしている。Nakamuraらは「慢性運動器疼痛で男女とも高率の失職、退学、休職や休学、転職を認めた」1)としており、腰痛や肩こりは健康寿命の延伸を目指す上での課題といえる。 そこで当院では、2018年より「腰の痛み・姿勢検診 (以下:腰検診)」「肩の痛み・肩こり検診 (以下:肩検診)」を人間ドックのオプション検査として実施している。今回は各検診の概要・件数について報告する。【取り組み】検診では、①問診、②各種評価、③判定、④自主トレーニング・生活指導を40分で実施している。②各種評価として「腰検診」では、立位姿勢評価、各肢位での疼痛再現性評価、整形外科的テスト、股関節の柔軟性評価を実施している。「肩検診」では、肩関節可動域、脊柱柔軟性、インピンジメントテスト、脱臼不安感テスト、神経所見評価、アライメント評価を実施している。③判定では、②各種評価から主となる問題点を明確にし、1~5段階の判定[1.異常、2.自宅でエクササイズ継続、3.自宅でエクササイズ継続 (必要あれば整形外科受診)、4.後日整形外科受診、5.当日整形外科受診]を行う。④自主トレーニング・生活指導では、プリントから受診者に適したトレーニング・生活指導を選択し個別性に配慮した指導をしている。また、検診結果表にQ Rコードを掲載することで自主トレーニングを動画で再確認できるようにしている。検診受診者数は、2020年度178件。2021年度170件。2022年度152件。2023年度152件である。【考察】令和4年度国民生活基礎調査にて男女ともに「腰痛」「肩こり」の有訴者率の高さを認めていること、当院にて受診者が毎年一定数いることから、「腰検診」「肩検診」には需要があると考える。各検診は、自主トレーニング・生活指導による一次予防的側面、整形外科の受診が必要な方に対し受診を促すことで早期発見・ 早期治療に繋げる二次予防的側面を有していると考える。これら、一次予防・二次予防的側面から「腰検診」「肩検診」は健康寿命の延伸に寄与することができると考える。 引用文献 1)Nakamura M, et al:Prevalence and characteristics of chronic Musculo-skeletal pain in Japan. J Orthop Sci 2011 ;16:424-432【倫理的配慮】今回の発表に際し、ヘルシンキ宣言に則り筆頭演者所属施設の倫理審査会の承認を受けている。
Bibliography:P - 11
ISSN:2758-7983
DOI:10.57304/jsptpsuppl.3.Suppl.No.1.0_83