解離性脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血に対して開頭術が有効と考えられた2例の検討

解離性脳動脈瘤破裂に対し開頭術で治療した2症例を報告した. 症例1は血腫の局在と前大脳動脈 (A1部) のわずかな形態変化から, 同部の解離の破裂と診断した. 血腫除去, および直視下に穿通枝を温存した破裂点を含む母血管のtrappingを施行した. 症例2は右椎骨動脈解離の破裂で, 対側椎骨動脈はposterior inferior cerebellar artery (PICA) endであった. 破裂点を含んだ血管形成的なpartial clippingを行い, 椎骨動脈の血流温存を図った. 穿通枝や母血管の血流温存を図りながら急性期の再破裂予防を達成するという観点からの開頭手術の有効性...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 30; no. 11; pp. 796 - 803
Main Authors 後藤, 秀輔, 土屋, 亮輔, 櫻井, 寿郎, 竹林, 誠治, 小泉, 博靖, 栗栖, 宏多, 小林, 徹, 小林, 理奈, 瀧澤, 克己
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経外科コングレス 2021
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.30.796

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Summary:解離性脳動脈瘤破裂に対し開頭術で治療した2症例を報告した. 症例1は血腫の局在と前大脳動脈 (A1部) のわずかな形態変化から, 同部の解離の破裂と診断した. 血腫除去, および直視下に穿通枝を温存した破裂点を含む母血管のtrappingを施行した. 症例2は右椎骨動脈解離の破裂で, 対側椎骨動脈はposterior inferior cerebellar artery (PICA) endであった. 破裂点を含んだ血管形成的なpartial clippingを行い, 椎骨動脈の血流温存を図った. 穿通枝や母血管の血流温存を図りながら急性期の再破裂予防を達成するという観点からの開頭手術の有効性が示唆された.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.30.796