CCHSにおける遺伝子診断・症状・合併症

先天性中枢性低換気症候群(Congenital central hypoventilation syndrome: CCHS)は,呼吸調節と自律神経系が障害される疾患で,PHOX2B遺伝子バリアントが病因である.これまで山形大学で検査を施行しバリアントを認めた症例での遺伝型と臨床型の比較,さらに呼吸管理法と発達予後の関連について発表してきた.ポリアラニン伸長バリアント(PARM)では伸長数が大きいほど合併症も多く,覚醒時にも人工呼吸が必要な症例も認められた.非ポリアラニン伸長バリアント(NPARM)では人工呼吸器の装着を要しない軽症例から覚醒時にも人工呼吸を必要とする重症例まで存在し,症状の多...

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Published in日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 Vol. 32; no. 2; pp. 165 - 167
Main Author 佐々木, 綾子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 30.04.2024
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ISSN1881-7319
2189-4760
DOI10.15032/jsrcr.32.165

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Summary:先天性中枢性低換気症候群(Congenital central hypoventilation syndrome: CCHS)は,呼吸調節と自律神経系が障害される疾患で,PHOX2B遺伝子バリアントが病因である.これまで山形大学で検査を施行しバリアントを認めた症例での遺伝型と臨床型の比較,さらに呼吸管理法と発達予後の関連について発表してきた.ポリアラニン伸長バリアント(PARM)では伸長数が大きいほど合併症も多く,覚醒時にも人工呼吸が必要な症例も認められた.非ポリアラニン伸長バリアント(NPARM)では人工呼吸器の装着を要しない軽症例から覚醒時にも人工呼吸を必要とする重症例まで存在し,症状の多様性を認めた.日本では精神発達遅滞の合併が欧米と比べると多く認められた.遺伝子診断は早期介入が可能となり,適切な呼吸管理と合併症管理を行う上で有用である.
ISSN:1881-7319
2189-4760
DOI:10.15032/jsrcr.32.165