60年生ヨーロッパトウヒ人工林における間伐強度の年輪構造への影響

ヨーロッパトウヒ人工林の間伐施業による年輪構造への影響を把握するため,間伐強度の異なる5種類の試験区(本数間伐による間伐率0~78%)の林齢60年生の試験木50本を用い,軟X線デンシトメトリ法で年輪幅及び年輪密度について調べた。間伐強度が高まると年輪幅は広くなる傾向が見られた。間伐率30%の試験区と間伐率15%の試験区の平均年輪幅を比べると間伐率30%の試験区の方が年輪幅は狭く,局所的な環境要因の影響が認められた。年輪密度は髄に近い部分で高く,林齢20年次くらいまで一時的に低下した後,樹皮に向かって増加する傾向が見られた。しかし,間伐強度が高くなると,林齢に伴う年輪密度の増加が抑制される傾向を...

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Published in木材学会誌 Vol. 71; no. 1; pp. 7 - 16
Main Authors 蝦名, 益仁, 山田, 健四, 滝谷, 美香, 村上, 了, 大野, 泰之, 内山, 和子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本木材学会 25.01.2025
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ISSN0021-4795
1880-7577
DOI10.2488/jwrs.71.7

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Summary:ヨーロッパトウヒ人工林の間伐施業による年輪構造への影響を把握するため,間伐強度の異なる5種類の試験区(本数間伐による間伐率0~78%)の林齢60年生の試験木50本を用い,軟X線デンシトメトリ法で年輪幅及び年輪密度について調べた。間伐強度が高まると年輪幅は広くなる傾向が見られた。間伐率30%の試験区と間伐率15%の試験区の平均年輪幅を比べると間伐率30%の試験区の方が年輪幅は狭く,局所的な環境要因の影響が認められた。年輪密度は髄に近い部分で高く,林齢20年次くらいまで一時的に低下した後,樹皮に向かって増加する傾向が見られた。しかし,間伐強度が高くなると,林齢に伴う年輪密度の増加が抑制される傾向を確認した。このため,高い間伐強度は材としての密度低下が懸念された。
ISSN:0021-4795
1880-7577
DOI:10.2488/jwrs.71.7