38年間に経験した男性乳癌6例の検討

「I はじめに」 男性乳癌の頻度は多くの集計例で全乳癌の1%前後1)-6)と報告されており, それほど多くはない. 筆頭者が乳癌診療に携わるようになってから約38年を経過したが, その間に勤務した3病院で診断した男性乳癌は6例に過ぎなかった. 今回は, その6例の臨床的背景, ならびに病理組織学的所見について述べ, その中で注目すべき点について若干の文献的考察を加えた. 「II 対象および方法」 信州大学第2外科において10年7カ月間(1972年9月~1983年3月)に診断した男性乳癌1例7), 長野県がん検診センターの21年6カ月間(1983年10月~2005年3月)に診断した3例, および...

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Published in信州医学雑誌 Vol. 60; no. 2; pp. 79 - 83
Main Authors 小池綏男, 飯沼伸佳, 山本浩二, 窪田晃治, 高木哲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 信州医学会 10.04.2012
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ISSN0037-3826
DOI10.11441/shinshumedj.60.79

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Summary:「I はじめに」 男性乳癌の頻度は多くの集計例で全乳癌の1%前後1)-6)と報告されており, それほど多くはない. 筆頭者が乳癌診療に携わるようになってから約38年を経過したが, その間に勤務した3病院で診断した男性乳癌は6例に過ぎなかった. 今回は, その6例の臨床的背景, ならびに病理組織学的所見について述べ, その中で注目すべき点について若干の文献的考察を加えた. 「II 対象および方法」 信州大学第2外科において10年7カ月間(1972年9月~1983年3月)に診断した男性乳癌1例7), 長野県がん検診センターの21年6カ月間(1983年10月~2005年3月)に診断した3例, および市立大町総合病院の3年9カ月間(2007年4月~2010年12月)に診断した2例の計6例を対象とした. この6例の臨床的背景〔年齢, 主訴, 病悩期間, 乳癌素因, 腫瘤占居部位, 腫瘤径, 病期分類〕, 診断法別の診断〔マンモグラフィ診断(以下MMGと略す), 超音波診断(以下USと略す), 穿刺吸引細胞診(以下FNAと略す)〕, 病理組織学的所見〔病理学的腫瘍径, 癌巣の組織学的波及度, 組織型, 脈管侵襲, 転移リンパ節個数, Estrogen Receptor (ER), Progesteron Receptor (PgR), Human Epidermal Growth Factor Receptor 2 (HER2)〕, および手術術式と転帰について検討した.
ISSN:0037-3826
DOI:10.11441/shinshumedj.60.79