テンサイシストセンチュウ抵抗性を有する緑肥用葉ダイコン品種「KGM1804」

日本未市販の葉ダイコン品種に対する接種試験によりテンサイシストセンチュウ(Hs)抵抗性が示唆された「KGM1804」(カネコ種苗)について、Hs に対する捕獲作物として既に利用されている市販品種「コブ減り大根」(タキイ種苗)と同等に利用できるか検証した。PET製カップ苗を用いて1,500 頭/ 株のHs 幼虫を接種したところ、好適寄主のキャベツでは株あたり平均243 個のシストが形成されたが、本品種および「コブ減り大根」ではシストが全く形成されなかった。根滲出液によるHs のふ化促進効果を検証したところ、「KGM1804」はキャベツおよび「コブ減り大根」と同様にふ化促進効果を有していた。また、...

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Published in日本線虫学会誌 Vol. 54; pp. 47 - 50
Main Authors 岡田, 浩明, 植原, 健人, 酒井, 啓充, 西本, 淳, 立石, 靖, 北林, 聡, 富田, 祐太郎, 与謝野, 舜
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本線虫学会 2024
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ISSN0919-6765
1882-3408
DOI10.3725/jjn.54.47

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Summary:日本未市販の葉ダイコン品種に対する接種試験によりテンサイシストセンチュウ(Hs)抵抗性が示唆された「KGM1804」(カネコ種苗)について、Hs に対する捕獲作物として既に利用されている市販品種「コブ減り大根」(タキイ種苗)と同等に利用できるか検証した。PET製カップ苗を用いて1,500 頭/ 株のHs 幼虫を接種したところ、好適寄主のキャベツでは株あたり平均243 個のシストが形成されたが、本品種および「コブ減り大根」ではシストが全く形成されなかった。根滲出液によるHs のふ化促進効果を検証したところ、「KGM1804」はキャベツおよび「コブ減り大根」と同様にふ化促進効果を有していた。また、Hs 発生地域の圃場において本品種は「コブ減り大根」と同等以上に生育した。これらの結果から、本品種が「コブ減り大根」と同等の捕獲作物として利用可能であると考えられた。なお、当該葉ダイコンは「シスクリーン」の商品名で上市されることとなった。
ISSN:0919-6765
1882-3408
DOI:10.3725/jjn.54.47