費用削減投資と市価基準振替価格

本研究では,川上部門が自身の提供する製品の製造費用を削減する投資を行なうとき,競争も情報の非対称性もない状況で設定する市価基準振替価格が,限界費用を上回ることを示した.市価基準振替価格を用いると,川上部門が市場価格の決定を通じて振替価格を間接的に操作できるため,自身のマージンを上げるために振替価格水準を高く設定する.この結果は,過去の理論研究では示されていない会計実務を説明する重要な結果である....

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Published in管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 Vol. 27; no. 1; pp. 93 - 108
Main Author 濵村, 純平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本管理会計学会 31.03.2019
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Summary:本研究では,川上部門が自身の提供する製品の製造費用を削減する投資を行なうとき,競争も情報の非対称性もない状況で設定する市価基準振替価格が,限界費用を上回ることを示した.市価基準振替価格を用いると,川上部門が市場価格の決定を通じて振替価格を間接的に操作できるため,自身のマージンを上げるために振替価格水準を高く設定する.この結果は,過去の理論研究では示されていない会計実務を説明する重要な結果である.
ISSN:0918-7863
2434-0529
DOI:10.24747/jma.27.1_93