銀行アカウントフィーに関する管理会計研究―サブスクリプションモデルの適用可能性
海外の銀行では口座手数料(アカウントフィー)の適用が一般的である.一方,国内の普通銀行でアカウントフィーを設定しているところは1つもない.しかし,国内の銀行では,少子高齢化,直接金融化,他業種または海外からの参入による競争激化,さらにマイナス金利政策などにより,収益力は大幅に減退しており,将来的にも金利収入が大きく伸びると予想するのは難しい.また,最近のIT業界のクラウドサービスでは,サブスクリプションモデルが一般的である.FinTechによるIT化の進む国内銀行ではサブスクリプションモデルであれば,アカウントフィーの適用が可能になり,収益改善に寄与するのではないだろうか.サブスクリプションモ...
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Published in | 管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 Vol. 26; no. 1; pp. 83 - 102 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本管理会計学会
31.03.2018
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Subjects | |
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Summary: | 海外の銀行では口座手数料(アカウントフィー)の適用が一般的である.一方,国内の普通銀行でアカウントフィーを設定しているところは1つもない.しかし,国内の銀行では,少子高齢化,直接金融化,他業種または海外からの参入による競争激化,さらにマイナス金利政策などにより,収益力は大幅に減退しており,将来的にも金利収入が大きく伸びると予想するのは難しい.また,最近のIT業界のクラウドサービスでは,サブスクリプションモデルが一般的である.FinTechによるIT化の進む国内銀行ではサブスクリプションモデルであれば,アカウントフィーの適用が可能になり,収益改善に寄与するのではないだろうか.サブスクリプションモデルのアカウントフィーによる収益シミュレーションを行って,実際に複数の銀行を訪問して検証を行った.その結果,サブスクリプションモデルによるアカウントフィーの適用は理論的に十分検討可能であるが,実際に導入するにはまだいくつかの課題があることが分かった.しかし,サブスクリプションモデルによるアカウントフィーは,従来の口座維持手数料とは全く異なり,顧客サービス価値の最大化が第1の目的であることから,FinTech時代における日本の銀行ならではのおもて重視の戦略的口座手数料となりうる. |
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ISSN: | 0918-7863 2434-0529 |
DOI: | 10.24747/jma.26.1_83 |