Biapenemに対する各種臨床分離菌株の薬剤感受性の年次推移について
Staphylococcus aureus, Streptococcus pneumoniae, Escherichia coli, Pseudomonas aeruginosaを含む14菌種, 計1,032株の新規カルバペネム系薬であるbiapenem (BIPM) に対する年次別薬剤感受性の推移について寒天平板希釈法を用いて検討した。菌株は1994年1月から1996年12月の間に長崎大学医学部附属病院の患者より分離された株を用いた。MIC50, MIC90値により比較したところ, メチシリン耐性菌を含むS. aureus, ペニシリン耐性菌を含むS. pneumoniae, Strepto...
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Published in | 日本化学療法学会雑誌 Vol. 50; no. 6; pp. 329 - 351 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
25.06.2002
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Subjects | |
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ISSN | 1340-7007 1884-5886 |
DOI | 10.11250/chemotherapy1995.50.329 |
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Summary: | Staphylococcus aureus, Streptococcus pneumoniae, Escherichia coli, Pseudomonas aeruginosaを含む14菌種, 計1,032株の新規カルバペネム系薬であるbiapenem (BIPM) に対する年次別薬剤感受性の推移について寒天平板希釈法を用いて検討した。菌株は1994年1月から1996年12月の間に長崎大学医学部附属病院の患者より分離された株を用いた。MIC50, MIC90値により比較したところ, メチシリン耐性菌を含むS. aureus, ペニシリン耐性菌を含むS. pneumoniae, Streptococcus pyogmes, Enterococcus faecalis, E. coli, Klebsiella pneumoniae, Enterobacter cloacae, Proteus mirabilis, Acinetobacter baumamiiおよびMoraxella catarrhalisには薬剤耐性化傾向は認められなかった。しかし, Staphylococcus epidermidisおよびSerratia marcescensではMIC50値でみたところ, カルバペネム系薬に対し, わずかに耐性菌の増加傾向がみられた。また, 緑膿菌にもMIC90値でみる限り, カルバペネム系薬に耐性を示す株の増加傾向がみられたものの, BIPMに対する耐性化傾向は他のカルバペネム系薬より軽度であった。1996年に分離されたHaemophilus influenzaeにカルバペネムを含むβ-ラクタム耐性株が認められたため, 今後の動向に注意が必要と思われる。 |
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ISSN: | 1340-7007 1884-5886 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1995.50.329 |