外耳道後壁の切除および硬性再建を行った外耳道血管平滑筋腫

血管平滑筋腫は皮下組織に発生する良性腫瘍であり、外耳道に発生することは非常にまれである。今回、外耳道後壁の切除および硬性再建を行った外耳道血管平滑筋腫を報告する。症例は 47歳、男性。右耳閉感を主訴に近医を受診した。右外耳道腫瘍を認め、当科を紹介された。画像検査と細胞診では診断が確定できず、外耳道腫瘍に対して腫瘍切除を施行した。腫瘍と合併切除した外耳道後壁は薄切軟骨で硬性再建した。術後の病理診断は海綿型血管平滑筋腫であった。術後 10 カ月が経過するが現在までに再発なく経過し、外耳道の形態も維持できている。血管平滑筋腫は再発や悪性化の報告がされており、初治療での十分な切除が必要である。腫瘍の再...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 69; no. 3; pp. 182 - 189
Main Authors 佐藤, 公宣, 三橋, 亮太, 田中, 久一郎, 梅野, 博仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.05.2023
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Summary:血管平滑筋腫は皮下組織に発生する良性腫瘍であり、外耳道に発生することは非常にまれである。今回、外耳道後壁の切除および硬性再建を行った外耳道血管平滑筋腫を報告する。症例は 47歳、男性。右耳閉感を主訴に近医を受診した。右外耳道腫瘍を認め、当科を紹介された。画像検査と細胞診では診断が確定できず、外耳道腫瘍に対して腫瘍切除を施行した。腫瘍と合併切除した外耳道後壁は薄切軟骨で硬性再建した。術後の病理診断は海綿型血管平滑筋腫であった。術後 10 カ月が経過するが現在までに再発なく経過し、外耳道の形態も維持できている。血管平滑筋腫は再発や悪性化の報告がされており、初治療での十分な切除が必要である。腫瘍の再発、外耳道形態については今後も経過観察する方針である。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi.69.3_182