頭蓋咽頭腫に対する治療戦略―最近の報告より

頭蓋咽頭腫は, 良性腫瘍でありながらも適切な治療が行われなければ, 再発を繰り返し悪性の経過をとる腫瘍である. 初回手術で全摘出することが再発を避けるには最も有効ではあるが, 腫瘍を取り囲む重要構造物の障害は重大なQOLの低下を招く. さらに, 放射線治療も有効な治療であるが若年者にも好発する腫瘍であり, 長期的な安全性の担保が必要である. 個々の症例に応じたバランスが取れた治療選択の一助になるよう最近の報告より, 摘出術, 放射線治療を中心に現在考えられる適切な治療戦略について検討した....

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Bibliographic Details
Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 29; no. 8; pp. 560 - 568
Main Author 松尾, 孝之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2020
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.29.560

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Summary:頭蓋咽頭腫は, 良性腫瘍でありながらも適切な治療が行われなければ, 再発を繰り返し悪性の経過をとる腫瘍である. 初回手術で全摘出することが再発を避けるには最も有効ではあるが, 腫瘍を取り囲む重要構造物の障害は重大なQOLの低下を招く. さらに, 放射線治療も有効な治療であるが若年者にも好発する腫瘍であり, 長期的な安全性の担保が必要である. 個々の症例に応じたバランスが取れた治療選択の一助になるよう最近の報告より, 摘出術, 放射線治療を中心に現在考えられる適切な治療戦略について検討した.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.29.560