CVカテーテルによる損傷で生じた頚部仮性動脈瘤に対して人工血管を用いた血行再建術を行った1例

CVカテーテルによる損傷で生じた頚部仮性動脈瘤に対して, 外科的治療を行った1例を報告する. 73歳男性, S状結腸穿孔による腹膜炎で前医にて緊急開腹術が行われた. その際, CVカテーテルの左内頚動脈への誤挿入があった. 術後, 嗄声が出現し, 精査で左内頚動脈に仮性動脈瘤を認め, 当院紹介となった. 血管撮影検査で, 内頚動脈起始部に外向き最大径18mmの動脈瘤を認めた. 直達手術による動脈瘤の切除と瘤開口部の縫合を試みたが, 周囲との癒着が強く困難であった. 同病変を正常血管とともに切除し, ePTFEリング付きグラフトに置換した. 術後経過は良好であった. ePTFEリング付きグラフト...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 22; no. 9; pp. 713 - 718
Main Authors 波多野, 武人, 織田, 雅, 中村, 威彦, 早瀬, 睦, 寺田, 行範
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2013
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.22.713

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Summary:CVカテーテルによる損傷で生じた頚部仮性動脈瘤に対して, 外科的治療を行った1例を報告する. 73歳男性, S状結腸穿孔による腹膜炎で前医にて緊急開腹術が行われた. その際, CVカテーテルの左内頚動脈への誤挿入があった. 術後, 嗄声が出現し, 精査で左内頚動脈に仮性動脈瘤を認め, 当院紹介となった. 血管撮影検査で, 内頚動脈起始部に外向き最大径18mmの動脈瘤を認めた. 直達手術による動脈瘤の切除と瘤開口部の縫合を試みたが, 周囲との癒着が強く困難であった. 同病変を正常血管とともに切除し, ePTFEリング付きグラフトに置換した. 術後経過は良好であった. ePTFEリング付きグラフトは, 頚動脈の再建材料として有用と考えられる.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.22.713