2 ヶ所の腸管脱出,嵌頓壊死を起こした巨大臍ヘルニアの 1 例

今回我々は,2 ヶ所の腸管脱出,嵌頓壊死を起こした巨大臍ヘルニアを経験した.症例は 63 歳女性.2011 年 3 月 1 日より臍部の膨隆,疼痛が出現したため,当院受診した.精査にて臍ヘルニア嵌頓,腸管壊死穿孔,汎発性腹膜炎と診断し,緊急手術を施行した.2 ヶ所の小腸の絞扼を認め,1 ヶ所が穿孔していた.計 150 cm の広範小腸切除,回盲部切除を行った.臍ヘルニアは中高年の女性に好発する比較的稀な疾患である.また複数ヶ所の嵌頓を起こすことは非常に稀である.慢性的ヘルニアの存在は,長期的には非嵌納となった場合には,複数ヶ所の腸管脱出の可能性が高まるため,症状出現時には早期の加療が必要である...

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Published in日大医学雑誌 Vol. 70; no. 4; pp. 208 - 211
Main Authors 川崎, 篤史, 久保井, 洋一, 加納, 久雄, 大井田, 尚継, 木田, 和利, 松野, 高久, 吹野, 信忠, 三松, 謙司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大学医学会 01.08.2011
Subjects
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ISSN0029-0424
1884-0779
DOI10.4264/numa.70.208

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Summary:今回我々は,2 ヶ所の腸管脱出,嵌頓壊死を起こした巨大臍ヘルニアを経験した.症例は 63 歳女性.2011 年 3 月 1 日より臍部の膨隆,疼痛が出現したため,当院受診した.精査にて臍ヘルニア嵌頓,腸管壊死穿孔,汎発性腹膜炎と診断し,緊急手術を施行した.2 ヶ所の小腸の絞扼を認め,1 ヶ所が穿孔していた.計 150 cm の広範小腸切除,回盲部切除を行った.臍ヘルニアは中高年の女性に好発する比較的稀な疾患である.また複数ヶ所の嵌頓を起こすことは非常に稀である.慢性的ヘルニアの存在は,長期的には非嵌納となった場合には,複数ヶ所の腸管脱出の可能性が高まるため,症状出現時には早期の加療が必要であると考えられた.
ISSN:0029-0424
1884-0779
DOI:10.4264/numa.70.208