音声認識ソフトウエアを利用した客観的発話明瞭度評価

UD トークは、音声認識機能を用いて難聴者と健聴者とのコミュニケーションを支援するソフトである。しかし、その音声認識精度は完璧とはいえない。われわれは、その音声認識ソフトを利用して構音障害患者の発話明瞭度評価を客観的に行う方法を検討した。 標準ディサースリア検査の教材用音源を UD トークに聴き取らせたところ、UD トークは健常者以外の音声を高率に聞き取れず、構音障害の程度に応じた聞き取り成績を示した。 UD トークは 36/53 の音声で言語聴覚士による評価に沿った評価を下し、15/53 の音声で言語聴覚士による評価より厳しい評価を下し、残りの 2/53 の音声で言語聴覚士より甘い評価を下し...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 64; no. 4; pp. 121 - 129
Main Authors 松本, 希, 荒川, 友美, 東野, 好恵, 中川, 尚志, 山口, 優実, 川口, 美奈子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.07.2018
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi.64.4_121

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Summary:UD トークは、音声認識機能を用いて難聴者と健聴者とのコミュニケーションを支援するソフトである。しかし、その音声認識精度は完璧とはいえない。われわれは、その音声認識ソフトを利用して構音障害患者の発話明瞭度評価を客観的に行う方法を検討した。 標準ディサースリア検査の教材用音源を UD トークに聴き取らせたところ、UD トークは健常者以外の音声を高率に聞き取れず、構音障害の程度に応じた聞き取り成績を示した。 UD トークは 36/53 の音声で言語聴覚士による評価に沿った評価を下し、15/53 の音声で言語聴覚士による評価より厳しい評価を下し、残りの 2/53 の音声で言語聴覚士より甘い評価を下した。この評価方法を利用し、従来言語聴覚士の主観的評価に頼っていた構音障害患者の発話明瞭度が客観的に評価できる可能性が示唆された。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi.64.4_121