ヒト歯根膜線維の崩壊に関する微細構造および形態計測的観察

ヒト永久歯を材料とし, 根中央部のセメント質近傍の歯根膜線維を微細構造的, 形態計測的に観測した。その結果, 1.正常歯の歯根膜線維は, 束状を, 規則的で密に配列し, セメント質内に埋入していた。線維束の構成単位である膠原々線維は相互平行に規則正しく配列し, 明瞭な周期構造が認あられた。膠原々線維の横断面は, 円形または類円形を呈し, 均一に分布していた。2.辺縁性歯周炎罹患歯の歯根膜線維は, 束状構造が不明瞭となり疎に配列し, セメント質内に埋入する線維は少なかった。膠原々線維は不規則に配列し, 崩壊, 減少を伴って, 周期構造が不明瞭であった。膠原々線維の横断面は, 大小不同で, 輪郭が...

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Published in老年歯科医学 Vol. 9; no. 1; pp. 13 - 18
Main Authors 胡, 継民, 小野寺, 健, 菊地, 正嘉, 大家, 清
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本老年歯科医学会 1994
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Summary:ヒト永久歯を材料とし, 根中央部のセメント質近傍の歯根膜線維を微細構造的, 形態計測的に観測した。その結果, 1.正常歯の歯根膜線維は, 束状を, 規則的で密に配列し, セメント質内に埋入していた。線維束の構成単位である膠原々線維は相互平行に規則正しく配列し, 明瞭な周期構造が認あられた。膠原々線維の横断面は, 円形または類円形を呈し, 均一に分布していた。2.辺縁性歯周炎罹患歯の歯根膜線維は, 束状構造が不明瞭となり疎に配列し, セメント質内に埋入する線維は少なかった。膠原々線維は不規則に配列し, 崩壊, 減少を伴って, 周期構造が不明瞭であった。膠原々線維の横断面は, 大小不同で, 輪郭が不明瞭になり, 直径・分布とも不均一であった。3.膠原々線維の横断面積は正常歯で1.99×103nm2, 辺縁性歯周炎罹患歯で1.47×103nm2で, 有意水準0.1%で有意差が認められた。
ISSN:0914-3866
1884-7323
DOI:10.11259/jsg1987.9.13