悪性グリオーマに対するウイルス療法

腫瘍細胞のみで増殖し, 腫瘍細胞のみを死滅させる単純ヘルペスウイルスI型 (herpes simplex virus type 1 : HSV-1) を用いたウイルス療法は, 次世代のがん治療法として期待される. 第二世代がん治療用ウイルス (G207) は, 米国で悪性グリオーマを対象に第I相臨床試験が行われ, 脳腫瘍内投与の安全性が確認された. G207の安全性を維持しつつ, 腫瘍細胞におけるウイルス複製能を高め, 抗腫瘍免疫が増強するように開発された第三世代がん治療用ウイルス (G47Δ) は, 既存の治療では根治が得られない悪性グリオーマにとって有望な治療法として期待され, 本邦での開...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 22; no. 8; pp. 613 - 618
Main Authors 藤堂, 具紀, 伊藤, 元一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2013
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.22.613

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Summary:腫瘍細胞のみで増殖し, 腫瘍細胞のみを死滅させる単純ヘルペスウイルスI型 (herpes simplex virus type 1 : HSV-1) を用いたウイルス療法は, 次世代のがん治療法として期待される. 第二世代がん治療用ウイルス (G207) は, 米国で悪性グリオーマを対象に第I相臨床試験が行われ, 脳腫瘍内投与の安全性が確認された. G207の安全性を維持しつつ, 腫瘍細胞におけるウイルス複製能を高め, 抗腫瘍免疫が増強するように開発された第三世代がん治療用ウイルス (G47Δ) は, 既存の治療では根治が得られない悪性グリオーマにとって有望な治療法として期待され, 本邦での開発が進んでいる.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.22.613