気腫性胆嚢炎を契機に見つかった肝細胞癌に対して胆嚢摘出術及び肝切除術を同時に行った 1 例
症例は 70 歳代男性.右季肋部痛を主訴に来院.腹部単純 X 線にて右上腹部に胆嚢内ガス像を認めた.腹部 CT 検査でも胆嚢気腫像を認め,気腫性胆嚢炎と診断した.同時に肝臓 S7 に 55 mm の腫瘤を認め,精査にて肝細胞癌と診断した.緊急での胆嚢摘出術を行うことで,その後の肝切除術が癒着によって困難になることが予想された.そのため,気腫性胆嚢炎に対して保存的治療を行い,後に胆嚢摘出術及び肝切除術を同時に行うこととした.保存的治療にて全身状態の改善みられたため,入院第 22 病日に胆嚢摘出術及び肝切除術を施行した.気腫性胆嚢炎を契機に見つかった肝細胞癌症例に対して,胆嚢摘出術及び肝切除術を同...
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Published in | 日大医学雑誌 Vol. 71; no. 6; pp. 451 - 454 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本大学医学会
01.12.2012
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Subjects | |
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ISSN | 0029-0424 1884-0779 |
DOI | 10.4264/numa.71.451 |
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Summary: | 症例は 70 歳代男性.右季肋部痛を主訴に来院.腹部単純 X 線にて右上腹部に胆嚢内ガス像を認めた.腹部 CT 検査でも胆嚢気腫像を認め,気腫性胆嚢炎と診断した.同時に肝臓 S7 に 55 mm の腫瘤を認め,精査にて肝細胞癌と診断した.緊急での胆嚢摘出術を行うことで,その後の肝切除術が癒着によって困難になることが予想された.そのため,気腫性胆嚢炎に対して保存的治療を行い,後に胆嚢摘出術及び肝切除術を同時に行うこととした.保存的治療にて全身状態の改善みられたため,入院第 22 病日に胆嚢摘出術及び肝切除術を施行した.気腫性胆嚢炎を契機に見つかった肝細胞癌症例に対して,胆嚢摘出術及び肝切除術を同時に施行した 1 例を経験したので文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0029-0424 1884-0779 |
DOI: | 10.4264/numa.71.451 |