中規模病院における末梢静脈留置カテーテル関連合併症サーベイランスの実態調査

日本の医療現場において頻繁に使用される医療器具の一つが末梢静脈留置カテーテルである.挿入・留置に伴い,腫脹や疼痛,静脈炎,血流感染などの合併症が生じる可能性がある.本研究は,中規模病院(100床以上300床未満)の感染対策担当看護師を対象に,現在実施している医療関連感染サーベイランスの種類,末梢静脈留置カテーテル関連合併症サーベイランスの実施の有無ならびに実施方法を郵送法で調査した.自記式質問調査用紙を1,508か所の中規模病院に配布し,回収率は34.8%,有効回答率96.4%であった.医療関連感染サーベイランスを実施している施設は461か所(92.4%)であった.また末梢静脈留置カテーテル関...

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Published in日本環境感染学会誌 Vol. 39; no. 6; pp. 221 - 227
Main Authors 山梨, 和子, 操, 華子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本環境感染学会 25.11.2024
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Summary:日本の医療現場において頻繁に使用される医療器具の一つが末梢静脈留置カテーテルである.挿入・留置に伴い,腫脹や疼痛,静脈炎,血流感染などの合併症が生じる可能性がある.本研究は,中規模病院(100床以上300床未満)の感染対策担当看護師を対象に,現在実施している医療関連感染サーベイランスの種類,末梢静脈留置カテーテル関連合併症サーベイランスの実施の有無ならびに実施方法を郵送法で調査した.自記式質問調査用紙を1,508か所の中規模病院に配布し,回収率は34.8%,有効回答率96.4%であった.医療関連感染サーベイランスを実施している施設は461か所(92.4%)であった.また末梢静脈留置カテーテル関連合併症サーベイランスは21か所(4.2%)で実施されており,有資格者の勤務形態について統計学上の有意差が認められた(p=0.003).今後,データの収集方法の確立のための検討が課題となる示唆を得た.
ISSN:1882-532X
1883-2407
DOI:10.4058/jsei.39.221