パーキンソン病における脳代謝ネットワークパターン

近年,PET やfunctional MRI などの機能的脳画像を用いてパーキンソン病やジストニア,アルツハイマー病,強迫性障害などの神経疾患における神経回路の変性をマッピングする研究が活発である.これらの疾患で神経回路変性を定量化することは診断や治療効果判定に重要である.Eidelberg らはPET 画像の多変量的ネットワーク解析によりパーキンソン病患者における運動関連脳代謝ネットワークパターンを確立し,パーキンソン病の画像診断の可能性を示唆している.我々はさらに症状特異的な神経ネットワークとして,パーキンソン病振戦関連代謝パターンや,パーキンソン病患者の運動学習能関連パターンの存在を報告...

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Published in脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌) Vol. 27; no. 2; pp. 313 - 317
Main Author 牟礼, 英生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳循環代謝学会 2016
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ISSN0915-9401
2188-7519
DOI10.16977/cbfm.27.2_313

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Summary:近年,PET やfunctional MRI などの機能的脳画像を用いてパーキンソン病やジストニア,アルツハイマー病,強迫性障害などの神経疾患における神経回路の変性をマッピングする研究が活発である.これらの疾患で神経回路変性を定量化することは診断や治療効果判定に重要である.Eidelberg らはPET 画像の多変量的ネットワーク解析によりパーキンソン病患者における運動関連脳代謝ネットワークパターンを確立し,パーキンソン病の画像診断の可能性を示唆している.我々はさらに症状特異的な神経ネットワークとして,パーキンソン病振戦関連代謝パターンや,パーキンソン病患者の運動学習能関連パターンの存在を報告してきた.これらのネットワークの存在を明らかにすることは疾患発現メカニズムの解明に役立つ.さらにネットワーク発現は脳深部刺激療法などの治療介入によって変化を示すことから,不随意運動疾患の運動症状および周辺症状に対する治療反応性の客観的指標となる可能性がある.
ISSN:0915-9401
2188-7519
DOI:10.16977/cbfm.27.2_313