コロナ禍に本学卒業生が新人看護職者となって職場で感じた困難

本研究では,2020年度に本学を卒業した新人看護職者が職場で感じた困難を明らかにした.卒業生9名がアンケートに回答し,そのうち3名にアンケートで困難と回答した項目について具体的な内容をインタビュー調査した. アンケート調査を単純集計した結果,104項目中,「患者・家族にわかりやすい説明を行い,同意を得る」「複数の患者の看護ケアの優先度を考えて行動する」「決められた業務を時間内に実施できるように調整する」の3項目が9名中7名と困難と感じた割合が高かった.次いで,「患者のニーズを身体・心理・社会的側面から把握する」「看護記録の目的を理解し,看護記録を正確に作成する」など4項目が9名中6名であった....

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Published in千葉県立保健医療大学紀要 Vol. 14; no. 1; pp. 1_61 - 1_67
Main Authors 田口, 智恵美, 三枝, 香代子, 大内, 美穂子, 内海, 恵美, 坂本, 明子, 浅井, 美千代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 千葉県立保健医療大学 31.03.2023
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Summary:本研究では,2020年度に本学を卒業した新人看護職者が職場で感じた困難を明らかにした.卒業生9名がアンケートに回答し,そのうち3名にアンケートで困難と回答した項目について具体的な内容をインタビュー調査した. アンケート調査を単純集計した結果,104項目中,「患者・家族にわかりやすい説明を行い,同意を得る」「複数の患者の看護ケアの優先度を考えて行動する」「決められた業務を時間内に実施できるように調整する」の3項目が9名中7名と困難と感じた割合が高かった.次いで,「患者のニーズを身体・心理・社会的側面から把握する」「看護記録の目的を理解し,看護記録を正確に作成する」など4項目が9名中6名であった.インタビューをまとめた内容には[患者の病状をコロナ禍で面会できない家族に説明できない]とコロナ禍での面会制限に関連した内容が含まれた. 結果から,コロナ禍による影響により患者・家族とのコミュニケーションに困難をより感じている可能性があることが考察された.また,コロナ禍に関わらず複数の患者の看護ケアや時間内での業務実施などの業務管理に困難を感じている傾向が明らかであった.コロナ禍のような情勢を加味して教育内容を検討することや複数患者受け持ちなど総合的な看護実践能力の向上を目指す科目「総合実習」の充実などが重要であると考える.
ISSN:1884-9326
2433-5533
DOI:10.24624/cpu.14.1_1_61