ランゲルハンス組織球症治療における脳神経外科の役割
ランゲルハンス組織球症 (LCH) は中枢神経晩期合併症をきたし得る比較的まれな疾患である. われわれは, 2005年3月∼2010年9月までの間に当科で手術を施行したLCH 14例の臨床的特徴について後方視的に検討した. 多くは有痛性の緩徐に増大する頭部腫瘤で発症し, 化学療法を施行した13例中2例で再燃した. LCHには多発・再燃例があるため, 全身検索が必須である. また, 頭蓋病変では中枢神経晩期合併症の防止が重要である. 約半数が多臓器に発症し, 化学療法を行ったにもかかわらず2例で再燃したことからは, 外科単独治療の危険性が示唆される. LCHの治療では小児腫瘍専門医との共同診療...
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Published in | 脳神経外科ジャーナル Vol. 23; no. 7; pp. 581 - 588 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳神経外科コングレス
2014
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Subjects | |
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ISSN | 0917-950X 2187-3100 |
DOI | 10.7887/jcns.23.581 |
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Summary: | ランゲルハンス組織球症 (LCH) は中枢神経晩期合併症をきたし得る比較的まれな疾患である. われわれは, 2005年3月∼2010年9月までの間に当科で手術を施行したLCH 14例の臨床的特徴について後方視的に検討した. 多くは有痛性の緩徐に増大する頭部腫瘤で発症し, 化学療法を施行した13例中2例で再燃した. LCHには多発・再燃例があるため, 全身検索が必須である. また, 頭蓋病変では中枢神経晩期合併症の防止が重要である. 約半数が多臓器に発症し, 化学療法を行ったにもかかわらず2例で再燃したことからは, 外科単独治療の危険性が示唆される. LCHの治療では小児腫瘍専門医との共同診療が推奨される. |
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ISSN: | 0917-950X 2187-3100 |
DOI: | 10.7887/jcns.23.581 |