公衆衛生看護学実習における学生の継続訪問実習の学び

目的:地域住民への継続した保健指導を目標とした家庭訪問(以下,継続訪問実習)における学びの内容を明らかにすることにより,継続訪問実習の課題を検討する.方法:継続訪問実習を行った4年生94人のうち,研究協力の同意が得られた53人の家庭訪問記録と継続訪問実習自己評価表を分析対象とした.家庭訪問記録から,継続した保健指導による学生の学びと考えられる単位の記述1文節をデータとして抽出し,カテゴリー化した.継続訪問実習自己評価表は,実習前後に実習目標に沿った20項目の各項目について「自信がある」「やや自信がある」「あまり自信がない」「自信がない」の4段階で評価を求め,1~4点に点数化し,実習前後の得点に...

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Published in日本地域看護学会誌 Vol. 20; no. 2; pp. 73 - 79
Main Authors 平澤, 則子, 飯吉, 令枝, 井上, 智代, 藤川, あや, 片平, 伸子, 高林, 知佳子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地域看護学会 2017
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Summary:目的:地域住民への継続した保健指導を目標とした家庭訪問(以下,継続訪問実習)における学びの内容を明らかにすることにより,継続訪問実習の課題を検討する.方法:継続訪問実習を行った4年生94人のうち,研究協力の同意が得られた53人の家庭訪問記録と継続訪問実習自己評価表を分析対象とした.家庭訪問記録から,継続した保健指導による学生の学びと考えられる単位の記述1文節をデータとして抽出し,カテゴリー化した.継続訪問実習自己評価表は,実習前後に実習目標に沿った20項目の各項目について「自信がある」「やや自信がある」「あまり自信がない」「自信がない」の4段階で評価を求め,1~4点に点数化し,実習前後の得点についてウィルコクソン符号付順位検定を行った.結果:家庭訪問記録内容から,学生は継続訪問における【効果的な指導方法】や【適切な情報収集】【継続訪問の有効性】などの学びが抽出された.実習後は実習で学ぶ20項目すべての自己評価が高く,「自信がある」の割合が60%以上の項目は12項目であった.考察:継続訪問実習は,継続した保健指導や家庭訪問技術を習得するために有効であることが示唆された.しかし,1事例の訪問では地域の問題に発展させて考えるなど,学習を深めることが困難な項目も明らかになったため,今後,実習方法を検討する必要がある.
ISSN:1346-9657
2432-0803
DOI:10.20746/jachn.20.2_73