当院における乳癌既往をもつLi-Fraumeni症候群患者への診療状況およびLFS boardの役割
Li-Fraumeni症候群(LFS)は,TP53遺伝子の病的バリアントを原因とする遺伝性疾患である.当院では,BRCA1/2遺伝学的検査の推進とともに,TP53遺伝学的検査の診療体制にも力を注いでいる.2020~2022年の当院乳腺外科で,31歳以下乳癌患者27人においてTP53遺伝学的検査を提案し同検査を受けた患者は全8例であり,うち1例にTP53モザイクを認めた.一方,肉腫を初発癌とし,それを契機にLFSと診断されかつその後乳癌に罹患した患者は全4例であった.当院では,遺伝子診療部門を中心とし,各診療科と合同のLFS boardを構築し,定期的に各LFS患者の診療方針に関する討議を行って...
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Published in | 遺伝性腫瘍 Vol. 24; no. 3; pp. 208 - 214 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会
31.01.2025
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Subjects | |
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ISSN | 2435-6808 |
DOI | 10.18976/jsht.24.3_208 |
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Summary: | Li-Fraumeni症候群(LFS)は,TP53遺伝子の病的バリアントを原因とする遺伝性疾患である.当院では,BRCA1/2遺伝学的検査の推進とともに,TP53遺伝学的検査の診療体制にも力を注いでいる.2020~2022年の当院乳腺外科で,31歳以下乳癌患者27人においてTP53遺伝学的検査を提案し同検査を受けた患者は全8例であり,うち1例にTP53モザイクを認めた.一方,肉腫を初発癌とし,それを契機にLFSと診断されかつその後乳癌に罹患した患者は全4例であった.当院では,遺伝子診療部門を中心とし,各診療科と合同のLFS boardを構築し,定期的に各LFS患者の診療方針に関する討議を行っている.本報告では,当院乳腺外科でTP53遺伝学的検査に関連した診療状況についての調査結果とともに,当院におけるLFS boardの役割について考察する. |
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ISSN: | 2435-6808 |
DOI: | 10.18976/jsht.24.3_208 |