本学卒業生が新人看護師となって職場で直面した困難
本研究では,本学を卒業した新人看護師が職場で直面した困難を明らかにした.卒業生6名に対し,アンケート調査で困難と回答した項目について具体的な内容をインタビュー調査した. アンケート調査を単純集計した結果,104項目中,家族への支援,褥瘡の予防,人工呼吸器の管理など13項目で困難の割合が高かった.インタビュー内容を質的帰納的に分析した結果,【情報を関連づけて患者の状態を理解することが難しい】【経験知のない臨床状況への対応が難しい】【患者の状態に合わせてケア技術を実践することが難しい】【多重課題への対応が難しい】【他の医療者との関わりの難しさがある】など12の大カテゴリーが抽出された. 本学を...
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Published in | 千葉県立保健医療大学紀要 Vol. 13; no. 1; pp. 1_29 - 1_38 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
千葉県立保健医療大学
31.03.2022
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Subjects | |
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ISSN | 1884-9326 2433-5533 |
DOI | 10.24624/cpu.13.1_1_29 |
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Summary: | 本研究では,本学を卒業した新人看護師が職場で直面した困難を明らかにした.卒業生6名に対し,アンケート調査で困難と回答した項目について具体的な内容をインタビュー調査した. アンケート調査を単純集計した結果,104項目中,家族への支援,褥瘡の予防,人工呼吸器の管理など13項目で困難の割合が高かった.インタビュー内容を質的帰納的に分析した結果,【情報を関連づけて患者の状態を理解することが難しい】【経験知のない臨床状況への対応が難しい】【患者の状態に合わせてケア技術を実践することが難しい】【多重課題への対応が難しい】【他の医療者との関わりの難しさがある】など12の大カテゴリーが抽出された. 本学を卒業した新人看護師の困難の特徴は,知識不足を感じる中で情報を関連づけて患者の状態を理解する,経験知のない臨床状況で患者の状態に適した看護実践を行う,限られた時間の中で多重課題を効率よく適切に行う,看護師として関わる全ての人と良好な関係性を築く,であると考察された. |
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ISSN: | 1884-9326 2433-5533 |
DOI: | 10.24624/cpu.13.1_1_29 |