「排便パターン分類フローチャート」の臨床での有用性

本研究の目的は, 筆者らが開発した「排便パターン分類フローチャート (加藤木ら, 2020)」の, 臨床における有用性を検証することである. 本フローチャートは便の形状, 回数, 排便日数を指標として, 2週間の排便状況から排便パターンを分類するものである. 自由意思で参加した急性症状がない通院・入院中の患者52名からの, 63件の排便記録を分析対象とした. 収集した排便記録について, フローチャートを用いて排便パターンを分類し, また自由意思で参加した看護師50人にも排便状況をアセスメントしてもらった. 両者の結果が異なった27件のうち22件 (81.5%) が, フローチャートの分類の方が...

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Published in日本看護技術学会誌 Vol. 20; pp. 68 - 78
Main Authors 菱沼, 典子, 加藤木, 真史, 野月, 千春, 酒井, 礼子, 丸山, 朱美, 平澤, ちよみ, 久賀, 久美子, 秋山, 雅代, 加藤, 京里, 縄, 秀志, 田中, 美智子, 矢野, 理香, 栗田, 愛, 塚越, みどり
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護技術学会 2021
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Summary:本研究の目的は, 筆者らが開発した「排便パターン分類フローチャート (加藤木ら, 2020)」の, 臨床における有用性を検証することである. 本フローチャートは便の形状, 回数, 排便日数を指標として, 2週間の排便状況から排便パターンを分類するものである. 自由意思で参加した急性症状がない通院・入院中の患者52名からの, 63件の排便記録を分析対象とした. 収集した排便記録について, フローチャートを用いて排便パターンを分類し, また自由意思で参加した看護師50人にも排便状況をアセスメントしてもらった. 両者の結果が異なった27件のうち22件 (81.5%) が, フローチャートの分類の方が排便状況を反映しており, 臨床における排便状況のアセスメントツールとして本フローチャートは有用と考えられた. 課題となったのは1週間がすべてゆるい便への対処と, 下剤の使用時のアセスメントで, これらへの留意を追加することで, さらに有用性が高まると考える.
ISSN:1349-5429
2423-8511
DOI:10.18892/jsnas.20.0_68