重症心身障がい児呼吸ケア必要度評価スケールの開発に向けた取り組み ─信頼性と妥当性の検討
目的:本研究は,重症心身障がい児(者)(以下,重症児)の呼吸機能を簡便かつ包括的に評価するための新しい評価スケール「重症心身障がい児呼吸ケア必要度評価スケール(S-CARES)」を開発し,その信頼性と妥当性を検討することを目的としている。方法:103例の重症心身障害児施設の入所者を対象とし,S-CARESを用いて身体機能,呼吸状態,呼吸ケアの必要性から呼吸機能をスコア化した。またスケールの信頼性と妥当性を検討した。結果:S-CARESの高い内的一貫性(Cronbachのα係数0.898)及び検者間の信頼性(重み付けカッパ係数0.922〜1.0,p<0.001)が示された。さらに,超重症児...
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Published in | 小児理学療法学 Vol. 3; no. 1; pp. 43 - 57 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本小児理学療法学会
31.03.2025
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Subjects | |
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ISSN | 2758-6456 |
DOI | 10.60187/jjppt.2401 |
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Summary: | 目的:本研究は,重症心身障がい児(者)(以下,重症児)の呼吸機能を簡便かつ包括的に評価するための新しい評価スケール「重症心身障がい児呼吸ケア必要度評価スケール(S-CARES)」を開発し,その信頼性と妥当性を検討することを目的としている。方法:103例の重症心身障害児施設の入所者を対象とし,S-CARESを用いて身体機能,呼吸状態,呼吸ケアの必要性から呼吸機能をスコア化した。またスケールの信頼性と妥当性を検討した。結果:S-CARESの高い内的一貫性(Cronbachのα係数0.898)及び検者間の信頼性(重み付けカッパ係数0.922〜1.0,p<0.001)が示された。さらに,超重症児判定基準との相関関係(rs=0.894,p<0.001)も示され,基準関連妥当性が確認された。結論:これらの結果は,S-CARESが重症児の呼吸機能の重症度を評価可能なスケールであることを示唆しており,その活用は重症児の呼吸ケアの向上や呼吸器感染症の予防に寄与する可能性がある。今後は,異なる年齢や重症度を持つ重症児への適用性,有用性の検討が必要である。 |
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ISSN: | 2758-6456 |
DOI: | 10.60187/jjppt.2401 |