日本歯科大学新潟歯学部における在宅歯科往診診療の現況

近年, 在宅歯科診療に対する要望が社会的にも高まってきた。本学においては, 昭和62年9月より歯科医師, 歯科衛生士を中心に在宅歯科往診ケアチームを組織し活動を行っている。そこで, 本学の在宅歯科往診診療の現況を報告した。 在宅診療は, 歯科医師2名, 歯科衛生士1名, 臨床研修医1名と歯学部学生1名ないし2名が同行して行い, 学生教育の一環にもなっている。現在までに在宅診療を行った74人の患者の内容については, 男性34人46%, 女性40人54%であった。患者年齢の分布は, 70歳代の患者数にピークがみられた。 在宅診療を行った患者の全身合併症 (基礎疾患) は, 脳脊髄血管障害と精神神経...

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Published in老年歯科医学 Vol. 4; no. 1; pp. 94 - 97
Main Authors 黒川, 裕臣, 吉岡, 弘行, 江面, 晃, 樋口, 昌男, 又賀, 泉, 北野, 智丸, 山口, 晃, 畑, 好昭, 榎本, 友彦, 大滝, 晃一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本老年歯科医学会 1990
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ISSN0914-3866
1884-7323
DOI10.11259/jsg1987.4.94

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Summary:近年, 在宅歯科診療に対する要望が社会的にも高まってきた。本学においては, 昭和62年9月より歯科医師, 歯科衛生士を中心に在宅歯科往診ケアチームを組織し活動を行っている。そこで, 本学の在宅歯科往診診療の現況を報告した。 在宅診療は, 歯科医師2名, 歯科衛生士1名, 臨床研修医1名と歯学部学生1名ないし2名が同行して行い, 学生教育の一環にもなっている。現在までに在宅診療を行った74人の患者の内容については, 男性34人46%, 女性40人54%であった。患者年齢の分布は, 70歳代の患者数にピークがみられた。 在宅診療を行った患者の全身合併症 (基礎疾患) は, 脳脊髄血管障害と精神神経系疾患で約76%を占めている。 主訴は, 義歯不適合, 義歯の作製希望および歯痛が大部分を占めていた。 処置内容は, 義歯の作製, 修理・リベース, 義歯調整などの有床義歯に関するものと抜歯が多く行われていた。在宅診療の実際では, いわゆる寝たきり老人がほとんどであり, 全身合併症を有している者が多く, いかなる歯科診療においても全身疾患を配慮することが必要である。在宅診療を希望した74名中13名の患者は, 重篤な合併症を併発しており, 在宅での診療に危険を伴うため, 入院全身管理下で処置を行った。
ISSN:0914-3866
1884-7323
DOI:10.11259/jsg1987.4.94