嚥下障害が初発症状であった irAE 筋炎の 1 例

近年、がん治療において免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitors;ICIs)は広く使用されているが、ICIs による免疫関連有害事象(immune-related adverse events;irAE)の種類は多彩であり注意が必要となる。その中での神経・筋関連有害事象は症状もさまざまであり、診断に難渋することがある。今回われわれは、嚥下障害を初発症状とした irAE 筋炎の 1 例を経験したのでここに報告する。ステロイド治療を開始されたが、改善が思わしくなかった嚥下障害に対して、耳鼻咽喉科医主導で嚥下評価とリハビリテーションを継続し、嚥下障害は緩徐で...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in耳鼻と臨床 Vol. 69; no. 3; pp. 243 - 248
Main Authors 福島, 亮, 白倉, 聡, 苦瓜, 治彦, 島﨑, 幹夫, 大野, 貴史, 吉田, 祥徳, 民井, 智, 小出, 暢章, 別府, 武
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.05.2023
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:近年、がん治療において免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitors;ICIs)は広く使用されているが、ICIs による免疫関連有害事象(immune-related adverse events;irAE)の種類は多彩であり注意が必要となる。その中での神経・筋関連有害事象は症状もさまざまであり、診断に難渋することがある。今回われわれは、嚥下障害を初発症状とした irAE 筋炎の 1 例を経験したのでここに報告する。ステロイド治療を開始されたが、改善が思わしくなかった嚥下障害に対して、耳鼻咽喉科医主導で嚥下評価とリハビリテーションを継続し、嚥下障害は緩徐であったが改善を得られ、次の治療に結びつけることが可能となった。ICIs による irAE 筋炎の際は、早期の嚥下機能評価とそのリハビリテーションが患者の全身状態や予後に重要となることが考えられた。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi.69.3_243