GPi-DBSが奏効したtardive dystoniaの1例

49歳女性. 25歳より躁うつ病と不眠症のため抗うつ剤や睡眠薬を多量に服用していた. 7年前より頚, 体幹にtardive dystoniaが出現し徐々に増悪した. 内科的治療はいずれも無効であった. ジストニアによりADLが強く障害されていたので, 全身麻酔下にて, 両側のGPi-DBSを行った. 頚部, 体幹のジストニア運動は術後早期から著明に軽減し, その後7カ月の経過で徐々にジストニア姿勢も改善した. 術後, 躁うつ病などの精神症状は悪化せず, ジストニアの改善により睡眠薬は減量された. Tardive dystoniaに対しては一次性ジストニア同様, GPi-DBSが有効であり, 基...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 23; no. 4; pp. 348 - 353
Main Authors 垣下, 浩二, 中尾, 直之, 尾形, 衣美, 佐々木, 貴浩, 小倉, 光博, 西林, 宏起
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2014
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.23.348

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Summary:49歳女性. 25歳より躁うつ病と不眠症のため抗うつ剤や睡眠薬を多量に服用していた. 7年前より頚, 体幹にtardive dystoniaが出現し徐々に増悪した. 内科的治療はいずれも無効であった. ジストニアによりADLが強く障害されていたので, 全身麻酔下にて, 両側のGPi-DBSを行った. 頚部, 体幹のジストニア運動は術後早期から著明に軽減し, その後7カ月の経過で徐々にジストニア姿勢も改善した. 術後, 躁うつ病などの精神症状は悪化せず, ジストニアの改善により睡眠薬は減量された. Tardive dystoniaに対しては一次性ジストニア同様, GPi-DBSが有効であり, 基礎疾患による精神症状に配慮しながら積極的に手術適応を考慮すべきである. また術中の電気生理学的同定が電極留置部位の決定に有用であった.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.23.348