受傷から2年で骨癒合した小児上腕骨外側顆骨折の1例

5歳,女児.転倒して受傷.受傷時単純レントゲン像で2mm以下の転位でありギプス固定された.経過中,側方転位が進行していたがギプス固定が継続された.受傷6週で骨癒合は得られていなかったがギプスは除去され,その後も骨癒合しなかったため,受傷16週に当院を受診した.骨片は側方に転位していたが,内外反肘変形は認めなかった.支柱付きスプリントを装着し,自動屈伸運動は制限しなかった.受傷2年で骨癒合を認めた.受傷7年8か月時,肘関節可動域は屈曲140度,伸展0度で疼痛や不安定性を認めず,骨端の変形なく骨成長は終了した.小児期における偽関節手術の良好な治療成績が報告されているが,手術を選択すれば確実な骨癒合...

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Bibliographic Details
Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 28; no. 2; pp. 4 - 6
Main Authors 洪, 淑貴, 大塚, 純子, 堀井, 恵美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2021
Subjects
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.28.2_4

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Summary:5歳,女児.転倒して受傷.受傷時単純レントゲン像で2mm以下の転位でありギプス固定された.経過中,側方転位が進行していたがギプス固定が継続された.受傷6週で骨癒合は得られていなかったがギプスは除去され,その後も骨癒合しなかったため,受傷16週に当院を受診した.骨片は側方に転位していたが,内外反肘変形は認めなかった.支柱付きスプリントを装着し,自動屈伸運動は制限しなかった.受傷2年で骨癒合を認めた.受傷7年8か月時,肘関節可動域は屈曲140度,伸展0度で疼痛や不安定性を認めず,骨端の変形なく骨成長は終了した.小児期における偽関節手術の良好な治療成績が報告されているが,手術を選択すれば確実な骨癒合が必須であり,リスクとして骨端線の早期閉鎖,無腐性骨壊死や可動域低下などの可能性がある.本症例のように遷延癒合する症例もあるため,手術の侵襲の大きさも考え,慎重に手術適応を考えるべきである.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.28.2_4