初期診療で可逆性脳血管攣縮症候群を見逃さないための患者背景・発症誘因・急性期MRI画像所見の検討

初期診療で可逆性脳血管攣縮症候群を見逃さないために確認すべき背景・誘因・急性期MRI所見について,11例を後方視的に検討した.背景として,血管作動薬の使用・産褥早期・大量輸血,誘因として,性行為・排便・労作・入浴・シャワーがあった.初診時のMRIでcSAHやPRESが5例でみられ,MRAは,末梢動脈まで確認すると全例で攣縮所見を認め,多くが後日に求心性移行を示した.またASLと造影FLAIRの所見が早期診断に役立った症例もあった.初期診療で雷鳴頭痛を診察する際には,これらの背景・誘因がある症例で,特に本疾患の可能性を念頭に特徴的な急性期MRI所見を確認する必要があることを教育すべきである....

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Published in日本頭痛学会誌 Vol. 50; no. 1; pp. 167 - 172
Main Authors 加納, 裕也, 近藤, 蔵人, 瀬古, 健登, 高田, 幸児, 山本, 光晴, 磯野, 裕司, 山田, 健太郎, 宮武, 仁志, 湯浅, 浩之, 松川, 則之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本頭痛学会 2023
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Summary:初期診療で可逆性脳血管攣縮症候群を見逃さないために確認すべき背景・誘因・急性期MRI所見について,11例を後方視的に検討した.背景として,血管作動薬の使用・産褥早期・大量輸血,誘因として,性行為・排便・労作・入浴・シャワーがあった.初診時のMRIでcSAHやPRESが5例でみられ,MRAは,末梢動脈まで確認すると全例で攣縮所見を認め,多くが後日に求心性移行を示した.またASLと造影FLAIRの所見が早期診断に役立った症例もあった.初期診療で雷鳴頭痛を診察する際には,これらの背景・誘因がある症例で,特に本疾患の可能性を念頭に特徴的な急性期MRI所見を確認する必要があることを教育すべきである.
ISSN:1345-6547
2436-1577
DOI:10.50860/jjho.50.1_167