学校版作業選択意思決定支援ソフトを用いた目標設定とホームプログラムにより日常生活動作に変化がみられたGMFCSレベルⅢの学童期脳性麻痺児の一症例

目的:今回,粗大運動能力分類システムレベルⅢの学童期の脳性麻痺児に対し,学校版作業選択意思決定支援ソフト(ADOC-S)を用いて目標設定を行い,ホームプログラムにより日常生活動作のパフォーマンスの向上を認めたため報告する。症例と経過:ADOC-Sを用いて本人 · 保護者と協働で目標設定を実施し,セルフケアに関連した複数項目が選択された。介入にはホームプログラムを設定し,実施期間は1年とした。自宅での自主的な練習に対し,理学療法士や作業療法士は継続的にアドバイスや称賛 · 励ましを行った。徐々に本人や保護者の自宅での練習に対する姿勢にも変化がみられていき,開始から1年後,目標に対する本人や保護者...

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Published in小児理学療法学 Vol. 3; no. 1; pp. 69 - 80
Main Authors 楠本, 泰士, 秋山, 亜衣, 儀間, 裕貴, 木村, 優希, 樋口, 滋, 阿部, 広和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児理学療法学会 31.03.2025
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ISSN2758-6456
DOI10.60187/jjppt.2403

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Summary:目的:今回,粗大運動能力分類システムレベルⅢの学童期の脳性麻痺児に対し,学校版作業選択意思決定支援ソフト(ADOC-S)を用いて目標設定を行い,ホームプログラムにより日常生活動作のパフォーマンスの向上を認めたため報告する。症例と経過:ADOC-Sを用いて本人 · 保護者と協働で目標設定を実施し,セルフケアに関連した複数項目が選択された。介入にはホームプログラムを設定し,実施期間は1年とした。自宅での自主的な練習に対し,理学療法士や作業療法士は継続的にアドバイスや称賛 · 励ましを行った。徐々に本人や保護者の自宅での練習に対する姿勢にも変化がみられていき,開始から1年後,目標に対する本人や保護者の満足度やセルフケアのパフォーマンスに向上を認めた。結論:セルフケアの向上には,ホームプログラムに加えて,ADOC-Sによる協働での目標設定や保護者の行動の変化も寄与したと考える。
ISSN:2758-6456
DOI:10.60187/jjppt.2403