急性の難聴・めまい発症を契機に腎細胞癌の斜台転移が判明した 1 例

悪性腫瘍の頭蓋底骨転移は、その転移巣の位置によって頭痛や複視から嚥下障害、構音障害などの脳神経麻痺症状を含め、多彩な症状を示す。今回、その中でも斜台転移巣の増大が難聴・めまいといった内耳障害を契機に発見された。本症例のように初発症状としてめまいや嗄声、嚥下障害、構音障害など耳鼻咽喉科が初診となる症状が出現することがある。脳神経障害が発症すると患者の quality of life(QOL)は著しく低下することが多い。担癌患者にこのような症状を認める場合は、頭蓋底骨転移も鑑別に挙げて画像検査などを用いた早期発見に努め、放射線治療などにつなげることが望ましい。...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 69; no. 2; pp. 110 - 115
Main Authors 佐藤, 智生, 木原, 千春, 熊井, 良彦, 大久保, 佑香, 北岡, 杏子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.03.2023
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi.69.2_110

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Summary:悪性腫瘍の頭蓋底骨転移は、その転移巣の位置によって頭痛や複視から嚥下障害、構音障害などの脳神経麻痺症状を含め、多彩な症状を示す。今回、その中でも斜台転移巣の増大が難聴・めまいといった内耳障害を契機に発見された。本症例のように初発症状としてめまいや嗄声、嚥下障害、構音障害など耳鼻咽喉科が初診となる症状が出現することがある。脳神経障害が発症すると患者の quality of life(QOL)は著しく低下することが多い。担癌患者にこのような症状を認める場合は、頭蓋底骨転移も鑑別に挙げて画像検査などを用いた早期発見に努め、放射線治療などにつなげることが望ましい。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi.69.2_110