高齢者の皮膚における腰背部温罨法の安全性の検証
本研究の目的は, 高齢者の皮膚において腰背部温罨法を実施することの安全性を, 皮膚状態および皮膚温の経時的変化から検証することである. 調査方法は, クロスオーバーデザインとし, 健康サークルに所属する高齢者8名 (平均年齢73.0±3.5歳) の腰背部において, 60℃に統一した湯で温めた2枚のタオルをビニール袋に入れた温タオル貼用 (群) と, 乾いた2枚のタオルをビニール袋に入れたタオル貼用 (群) の両群を実施した. 結果, 皮膚状態の評価指標である経表皮水分蒸散量および角質水分量は, 貼用開始時と除去後15分において2群間および各群内に有意な差はなかった. 皮膚表面温度および皮膚深部...
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Published in | 日本看護技術学会誌 Vol. 18; pp. 69 - 77 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本看護技術学会
2019
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Subjects | |
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ISSN | 1349-5429 2423-8511 |
DOI | 10.18892/jsnas.18.0_69 |
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Summary: | 本研究の目的は, 高齢者の皮膚において腰背部温罨法を実施することの安全性を, 皮膚状態および皮膚温の経時的変化から検証することである. 調査方法は, クロスオーバーデザインとし, 健康サークルに所属する高齢者8名 (平均年齢73.0±3.5歳) の腰背部において, 60℃に統一した湯で温めた2枚のタオルをビニール袋に入れた温タオル貼用 (群) と, 乾いた2枚のタオルをビニール袋に入れたタオル貼用 (群) の両群を実施した. 結果, 皮膚状態の評価指標である経表皮水分蒸散量および角質水分量は, 貼用開始時と除去後15分において2群間および各群内に有意な差はなかった. 皮膚表面温度および皮膚深部温度は, 2群における経時的変化の比較から, 温タオル貼用群はタオル貼用群より有意に上昇した. しかし, 温タオル貼用群の皮膚深部温度は38℃未満で経過し, 低温熱傷などの有害事象は生じなかった. よって, 高齢者においては, 本研究の温罨法は安全性が高いと考えられた. |
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ISSN: | 1349-5429 2423-8511 |
DOI: | 10.18892/jsnas.18.0_69 |