成人急性上咽頭炎の内視鏡所見による分類の試み

細菌感染の関与が明らかな急性上咽頭炎症例を対象として、上咽頭の内視鏡所見を後方視的に検討した。対象は 2014 − 2015 年に当院を受診した、急性上咽頭炎症例 235 名である。急性上咽頭炎は内視鏡所見により、①耳管隆起に限局した膿付着を認める症例、②上咽頭後壁に限局した膿付着を認める症例、③上咽頭全体に膿付着を認める症例の 3 群に分類されることが示唆された。これらは耳管隆起、上咽頭後壁に存在するリンパ組織の細菌感染症であると考えられた。細菌感染が関与する急性上咽頭炎の病態については不明な点が多く、今後のさらなる検討が必要である。...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 62; no. 6; pp. 191 - 198
Main Author 冨山, 道夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.11.2016
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi.62.6_191

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Summary:細菌感染の関与が明らかな急性上咽頭炎症例を対象として、上咽頭の内視鏡所見を後方視的に検討した。対象は 2014 − 2015 年に当院を受診した、急性上咽頭炎症例 235 名である。急性上咽頭炎は内視鏡所見により、①耳管隆起に限局した膿付着を認める症例、②上咽頭後壁に限局した膿付着を認める症例、③上咽頭全体に膿付着を認める症例の 3 群に分類されることが示唆された。これらは耳管隆起、上咽頭後壁に存在するリンパ組織の細菌感染症であると考えられた。細菌感染が関与する急性上咽頭炎の病態については不明な点が多く、今後のさらなる検討が必要である。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi.62.6_191