瞳孔視野測定時の記録データを利用した瞳孔視野測定検査の所要時間の特性評価

【緒論】瞳孔視野測定検査は視野障害検出を目的とした視野検査の手法として近年注目されており,検査時に被検者の主観的応答と電極装着が不要な点で有用である.本研究では健常若年者の両眼114眼の測定時の記録データを利用し,瞳孔視野測定検査の所要時間の特性評価を行った. 【方法】瞳孔視野測定検査の所要時間は,測定内で値が一定にはならない刺激提示間間隔を総和した値である.本研究ではこの刺激提示間間隔に着目し,解析を行った. 【結果】検査の所要時間(5.6±1.5分)は,正規分布ではなく正に歪曲した分布であることが示された.刺激提示間間隔の変動係数が小さいほど検査の所要時間が短く,瞳孔視野のノイズ成分を示す...

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Published in医療情報学 Vol. 33; no. 5; pp. 253 - 265
Main Authors 前田, 史篤, 山田, 潤, 近藤, 芳朗, 衣川, 龍, 田淵, 昭雄, 加藤, 弘明, 岡田, 美保子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療情報学会 2013
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ISSN0289-8055
2188-8469
DOI10.14948/jami.33.253

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Summary:【緒論】瞳孔視野測定検査は視野障害検出を目的とした視野検査の手法として近年注目されており,検査時に被検者の主観的応答と電極装着が不要な点で有用である.本研究では健常若年者の両眼114眼の測定時の記録データを利用し,瞳孔視野測定検査の所要時間の特性評価を行った. 【方法】瞳孔視野測定検査の所要時間は,測定内で値が一定にはならない刺激提示間間隔を総和した値である.本研究ではこの刺激提示間間隔に着目し,解析を行った. 【結果】検査の所要時間(5.6±1.5分)は,正規分布ではなく正に歪曲した分布であることが示された.刺激提示間間隔の変動係数が小さいほど検査の所要時間が短く,瞳孔視野のノイズ成分を示す縮瞳率偏差も小さくなる傾向が明らかにされた. 【結論】本研究の方法論および解析結果は,検者と被検者の瞳孔視野測定検査の特性理解を促し,眼科臨床での実用化に向けて測定値の再現性を検討していく上でも重要な基礎資料になると考えられる.
ISSN:0289-8055
2188-8469
DOI:10.14948/jami.33.253