椎骨動脈窓形成に併発した解離性椎骨動脈瘤破裂の 1 例

椎骨動脈における窓形成 (fenestration of the vertebralartery: FVA) は椎骨動脈 (vertebral artery: VA) に見られる稀な血管変異である.今回我々は,FVA に合併した VA解離動脈瘤の破裂を経験したので報告する.症例は 60 歳代の男性.突然の頭痛と意識障害で発症し,精査の結果,左後下小脳動脈 (posterior inferiorcerebellar artery: PICA) 分岐部から VA union に至る左 VA解離性動脈瘤の破裂と診断され,さらに FVA が見られた.PICA 分岐直後で proximal occlus...

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Published in日大医学雑誌 Vol. 83; no. 4; pp. 157 - 160
Main Authors 吉野, 篤緒, 勝原, 隆道, 梶本, 隆太, 大谷, 直樹, 岸, 匡蔵, 小林, 真人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大学医学会 01.08.2024
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ISSN0029-0424
1884-0779
DOI10.4264/numa.83.4_157

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Summary:椎骨動脈における窓形成 (fenestration of the vertebralartery: FVA) は椎骨動脈 (vertebral artery: VA) に見られる稀な血管変異である.今回我々は,FVA に合併した VA解離動脈瘤の破裂を経験したので報告する.症例は 60 歳代の男性.突然の頭痛と意識障害で発症し,精査の結果,左後下小脳動脈 (posterior inferiorcerebellar artery: PICA) 分岐部から VA union に至る左 VA解離性動脈瘤の破裂と診断され,さらに FVA が見られた.PICA 分岐直後で proximal occlusion を施行するとともに解離腔へ灌流する FVA も閉塞させた.術後は神経学的所見はなく,離床に向けてリハビリテーション病院へ転院された.FVA は動脈瘤との合併が示唆されている.本症例では,解離部と同様に FVA も閉塞させることで良好な転帰が得られた.直逹術による proximal occlusionの際,解離腔に関与する FVA の存在も念頭に置く必要があると思われる.
ISSN:0029-0424
1884-0779
DOI:10.4264/numa.83.4_157