ANCA 関連血管炎性中耳炎 10 例の臨床的検討

2014 − 2021 年の期間において、当院で ANCA 関連血管炎性中耳炎(OMAAV)と診断した 10 例について臨床的特徴を検討した。初診日は 2014 年、2015 年、2017 年が各 1 例、2019 年と 2020 年が各 3 例、2021 年が 1 例で、初診診療科は耳鼻咽喉科が 9 例、内科が 1 例であった。初診から治療開始までの期間は 7 日から 5 カ月で、2014 年初診の 1 例を除き 26 日以内に治療を開始できた。厚労省基準による ANCA 関連血管炎の診断は多発血管炎性肉芽腫症(GPA)確実例が 4 例、GPA 疑いが 6 例であった。肥厚性硬膜炎は 1 例...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 68; no. 4; pp. 235 - 242
Main Authors 西村, 直矢, 岡, 正倫, 野田, 哲平, 玉江, 昭裕, 岡部, 翠, 吉澤, 誠司, 浦本, 怜奈, 安井, 徹郎, 松永, 啓秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 20.07.2022
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi.68.4_235

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Summary:2014 − 2021 年の期間において、当院で ANCA 関連血管炎性中耳炎(OMAAV)と診断した 10 例について臨床的特徴を検討した。初診日は 2014 年、2015 年、2017 年が各 1 例、2019 年と 2020 年が各 3 例、2021 年が 1 例で、初診診療科は耳鼻咽喉科が 9 例、内科が 1 例であった。初診から治療開始までの期間は 7 日から 5 カ月で、2014 年初診の 1 例を除き 26 日以内に治療を開始できた。厚労省基準による ANCA 関連血管炎の診断は多発血管炎性肉芽腫症(GPA)確実例が 4 例、GPA 疑いが 6 例であった。肥厚性硬膜炎は 1 例、顔面神経麻痺は 2 例に合併していた。顔面神経麻痺は 2 例とも改善し、生命予後は全例生存中であった。診断基準 2015 が提唱されたことで早期診断が可能になり、内科医と連携した早期治療が容易となった。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi.68.4_235