頭蓋咽頭腫に対する通常分割高精度放射線外部照射療法の長期成績

術後残存/再発頭蓋咽頭腫に対する通常分割高精度放射線外部照射療法の長期治療成績を遡及的に検討した. 解析対象は29例. 年齢中央値は54歳. 28例で放射線治療直前の手術は不完全切除であった. 三次元原体照射または定位放射線治療を用い, 中央値で54Gy/30分割を残存腫瘍を含む腫瘍床へ投与した. 経過観察期間中央値は73カ月で, 5年の局所制御率, 無増悪生存率, 全生存率は, それぞれ, 85.3%, 81.4%, 95.8%であった. 放射線治療後に甲状腺刺激ホルモン値の低下を認めた1例以外, 放射線治療に起因する有害事象は観察されなかった. 頭蓋咽頭腫に対する通常分割高精度放射線外部照...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 25; no. 8; pp. 646 - 653
Main Authors 宇藤, 恵, 宮本, 享, 平岡, 真寛, 溝脇, 尚志, 荒川, 芳輝, 北条, 雅人, 小倉, 健吾, 坂中, 克行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2016
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.25.646

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Summary:術後残存/再発頭蓋咽頭腫に対する通常分割高精度放射線外部照射療法の長期治療成績を遡及的に検討した. 解析対象は29例. 年齢中央値は54歳. 28例で放射線治療直前の手術は不完全切除であった. 三次元原体照射または定位放射線治療を用い, 中央値で54Gy/30分割を残存腫瘍を含む腫瘍床へ投与した. 経過観察期間中央値は73カ月で, 5年の局所制御率, 無増悪生存率, 全生存率は, それぞれ, 85.3%, 81.4%, 95.8%であった. 放射線治療後に甲状腺刺激ホルモン値の低下を認めた1例以外, 放射線治療に起因する有害事象は観察されなかった. 頭蓋咽頭腫に対する通常分割高精度放射線外部照射療法の治療成績は良好である.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.25.646