腰椎変性疾患に対する後方除圧術単独, 後方・側方固定術の適応と課題
腰椎変性疾患に対する固定術の適応には, 高いエビデンスに基づく明確なコンセンサスはない. 本疾患の基本治療である後方除圧術に固定術を追加する意義は, 腰痛や神経症候の出現および増悪の要因とされる有痛性または不安定性椎体間セグメントの機械的除去や, 脊柱変形の矯正にある. 本稿では, 固定術を選択する際の根拠とされているが異論も多い腰痛の病態鑑別, 椎間板性腰痛に対する固定術, 不安定性の放射線学的定義について詳述し, 椎体すべりや不安定性が臨床成績に与える影響を考察する. また近年, 固定術の過剰適応が指摘されており, 低侵襲後方除圧術の普及や, 適応を再考する必要性が指摘されている. こうし...
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Published in | 脳神経外科ジャーナル Vol. 27; no. 4; pp. 280 - 290 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳神経外科コングレス
2018
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0917-950X 2187-3100 |
DOI | 10.7887/jcns.27.280 |
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Summary: | 腰椎変性疾患に対する固定術の適応には, 高いエビデンスに基づく明確なコンセンサスはない. 本疾患の基本治療である後方除圧術に固定術を追加する意義は, 腰痛や神経症候の出現および増悪の要因とされる有痛性または不安定性椎体間セグメントの機械的除去や, 脊柱変形の矯正にある. 本稿では, 固定術を選択する際の根拠とされているが異論も多い腰痛の病態鑑別, 椎間板性腰痛に対する固定術, 不安定性の放射線学的定義について詳述し, 椎体すべりや不安定性が臨床成績に与える影響を考察する. また近年, 固定術の過剰適応が指摘されており, 低侵襲後方除圧術の普及や, 適応を再考する必要性が指摘されている. こうした背景から, 変性すべり症を中心に, 後方除圧術単独と固定術の適応と課題について論じ, 側方固定術についても概説する. |
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ISSN: | 0917-950X 2187-3100 |
DOI: | 10.7887/jcns.27.280 |