自宅療養又は宿泊療養した日本のCOVID-19患者における急性期及び療養解除後の症状:ウェブによるアンケート調査
COVID-19の臨床経過に関する既存の研究の多くは,入院患者に焦点を当てたものであり,自宅又は宿泊療養施設で療養した患者の臨床経過に関する情報は少ない.そこで,自宅又は宿泊療養施設で療養した患者の,療養中と療養解除後の症状及び生活への支障についての実態を把握することを目的として,ウェブアンケート調査による横断研究を実施した.2022年4~8月にCOVID-19と診断され,症状があった者のうち,自宅療養又は宿泊療養を経験した日本国内の16歳以上を対象とした.質問票への回答を基に重症化リスク因子を有する群(以下,リスクあり群)と有さない群(以下,リスク群)に割り付け,1,000例に達するまで組み...
Saved in:
Published in | 日本環境感染学会誌 Vol. 39; no. 6; pp. 233 - 240 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本環境感染学会
25.11.2024
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | COVID-19の臨床経過に関する既存の研究の多くは,入院患者に焦点を当てたものであり,自宅又は宿泊療養施設で療養した患者の臨床経過に関する情報は少ない.そこで,自宅又は宿泊療養施設で療養した患者の,療養中と療養解除後の症状及び生活への支障についての実態を把握することを目的として,ウェブアンケート調査による横断研究を実施した.2022年4~8月にCOVID-19と診断され,症状があった者のうち,自宅療養又は宿泊療養を経験した日本国内の16歳以上を対象とした.質問票への回答を基に重症化リスク因子を有する群(以下,リスクあり群)と有さない群(以下,リスク群)に割り付け,1,000例に達するまで組み入れて評価した.療養中及び療養解除後に症状を発現した被験者の割合や各症状が「非常につらかった/つらかった」と回答した割合をリスクあり群,リスク群の各群で算出したところ大きな違いはなく,各群の52.8%,47.1%が療養解除後も症状があったと回答した.また,全体の約80%が1日でも早い「症状の消失」,「感染性の消失」,「SARS-CoV-2検査で陰性となること」が重要であると回答した.本調査結果から,自宅又は宿泊療養施設で療養した患者に対しても,重症化リスク因子の有無にかかわらず,自覚症状が軽快する治療を検討する必要があり,他者への感染を防止するニーズも高いことが示された. |
---|---|
ISSN: | 1882-532X 1883-2407 |
DOI: | 10.4058/jsei.39.233 |