ミトンによる拘束が手部の温湿度・汚れ・快適性に及ぼす影響

目的:ミトン拘束が手部の温湿度・汚れ・快適性に及ぼす影響を明らかにした.  方法:健康成人35名を対象に, 60分間ミトンを装着する条件 (以下, ミトンあり) とミトンを装着しない条件 (以下, ミトン) を実施し, 手部の温湿度・汚れ (Adenosine triphosphate, ATP) ・快適性 (主観的評価) を比較した. 手部の温湿度と汚れは対応のあるt検定, 主観的評価はWilcoxon符号付き順位検定を行った.  結果:ミトンありの手部の温湿度はミトンよりも平均して温度3~4℃, 湿度2~3%高く, 10分後・60分後ともに有意に高かった (P<.005) . 手部の汚れを...

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Published in日本看護技術学会誌 Vol. 23; pp. 66 - 74
Main Authors 中村, 日向子, 西尾, 杏美, 岩崎, 歩音, 北川, 佳歩, 木下, 佳穗, 清水, 茉尋, 村中, 舞華, 山岸, 未来, ハーネド, 明香, 松山, 友子, 内山, 孝子, 髙橋, 智子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護技術学会 20.08.2024
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Summary:目的:ミトン拘束が手部の温湿度・汚れ・快適性に及ぼす影響を明らかにした.  方法:健康成人35名を対象に, 60分間ミトンを装着する条件 (以下, ミトンあり) とミトンを装着しない条件 (以下, ミトン) を実施し, 手部の温湿度・汚れ (Adenosine triphosphate, ATP) ・快適性 (主観的評価) を比較した. 手部の温湿度と汚れは対応のあるt検定, 主観的評価はWilcoxon符号付き順位検定を行った.  結果:ミトンありの手部の温湿度はミトンよりも平均して温度3~4℃, 湿度2~3%高く, 10分後・60分後ともに有意に高かった (P<.005) . 手部の汚れを示すATP値の差はなかった. 手部の快適性を示す温冷感・湿り感の主観的評価はミトンありが有意に高く, 快-不快感はミトンありが有意に低かった (P<.005) .  考察:ミトン拘束は手部の温湿度上昇や不快感をもたらすことから, やむを得ずミトン拘束する場合は, ミトン装着による温湿度の上昇や不快感にも着目し, ミトン拘束の必要性を検討することが示唆された.
ISSN:1349-5429
2423-8511
DOI:10.18892/jsnas.23.0_66