腰椎固定術の基礎と低侵襲手技の発展

変形性腰椎症による腰痛や脊髄馬尾神経の障害による神経症状に対する治療として, 腰椎固定術が選択されることがある. 腰椎すべり症や腰椎椎間板症など, 腰椎不安定性や骨性の狭窄などの病態が腰椎固定術の適応となる. 固定術は, 短期的には腰痛や下肢痛の症状改善に寄与するが, 手技が複雑になり合併症の発生率も高率となり, 長期的にも隣接椎間障害が問題となる. よって手術手技選択が患者の予後に関与することを知っておかなければならない. この論文では, 腰椎変性疾患に対する固定術の基本手技について説明し, 歴史的背景も踏まえて手技の詳細について述べる. また, 近年の低侵襲手技の発達についても触れ, その...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 26; no. 5; pp. 353 - 361
Main Authors 水野, 正喜, 倉石, 慶太, 鈴木, 秀謙
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2017
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.26.353

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Summary:変形性腰椎症による腰痛や脊髄馬尾神経の障害による神経症状に対する治療として, 腰椎固定術が選択されることがある. 腰椎すべり症や腰椎椎間板症など, 腰椎不安定性や骨性の狭窄などの病態が腰椎固定術の適応となる. 固定術は, 短期的には腰痛や下肢痛の症状改善に寄与するが, 手技が複雑になり合併症の発生率も高率となり, 長期的にも隣接椎間障害が問題となる. よって手術手技選択が患者の予後に関与することを知っておかなければならない. この論文では, 腰椎変性疾患に対する固定術の基本手技について説明し, 歴史的背景も踏まえて手技の詳細について述べる. また, 近年の低侵襲手技の発達についても触れ, その特徴や有効性について解説する.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.26.353