病院薬剤師の成長を刺激する因子に関する量的・質的研究 因子分析とM-GTAを用いて

「緒言」本邦の病院薬剤師が担う責務は, この20~30年の間に大きな変化を遂げてきた. 従来の病院薬剤師は, 調剤を中心とした医薬品の供給や安全管理を主たる職務としていた. 1994年の診療報酬改定における薬剤管理指導料の新設を発端とした薬剤師の病棟活動の開始や医薬分業の進展により, 病院薬剤師の職域は拡がっていった. 病院薬剤師の職域が, 調剤中心から病棟活動を含むものへと変化するなかで, 1990年に米国でHepler & Strandが提唱したファーマシューティカルケアの考え方が本邦でも浸透していったと考えられる. ファーマシューティカルケアは薬剤師業務を患者の視点から見直し,...

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Published in医療薬学 Vol. 49; no. 7; pp. 254 - 267
Main Authors 竹安, 葵, 田中, 佐知子, 小林, 如乃, 加藤, 里奈, 山本, 仁美, 小林, 文, 北原, 加奈之, 百, 賢二, 佐々木, 忠徳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.07.2023
日本医療薬学会
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Summary:「緒言」本邦の病院薬剤師が担う責務は, この20~30年の間に大きな変化を遂げてきた. 従来の病院薬剤師は, 調剤を中心とした医薬品の供給や安全管理を主たる職務としていた. 1994年の診療報酬改定における薬剤管理指導料の新設を発端とした薬剤師の病棟活動の開始や医薬分業の進展により, 病院薬剤師の職域は拡がっていった. 病院薬剤師の職域が, 調剤中心から病棟活動を含むものへと変化するなかで, 1990年に米国でHepler & Strandが提唱したファーマシューティカルケアの考え方が本邦でも浸透していったと考えられる. ファーマシューティカルケアは薬剤師業務を患者の視点から見直し, 薬剤師の行動哲学として体系づけようとする考え方である. 病院薬剤師は, 調剤や医薬品の安全管理と共に, 患者の薬物治療に対する取り組みにおいて, 病棟で自ら患者の状態を把握したうえでチーム医療に参画し, 患者のquality of life(QOL)向上に貢献するようになった.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.49.254